研究活動・親睦

総会

2016年度通常総会

2016年度通常総会を開催

 日本現代詩人会の2016年度通常総会が8月20日(土)午後1時30分から、早稲田奉仕園スコットホールで開催された。会員の出席は57名。新延理事長が、委任状を含め370人で、会員数(6月30日現在)1060人の3分の1を超え、会則28条により総会は成立したことを報告。総会司会は八木幹夫理事、中本道代理事。議長団は柏木勇一氏と白井知子さんが選出された。冒頭、新延理事長によって前年度総会以降、今年7月までに逝去された12名の会員の名前が読み上げられ、以倉紘平会長の「黙祷」の発声により物故者に黙祷を捧げた。

名誉会員に尾花仙朔(左)、堀場清子氏(右)

尾花氏堀場氏
 総会は新延理事長の開会の言葉のあと、以倉会長が挨拶。年間行事が滞りなく実施され、会の発展と運営を支えてくれた会員に感謝の言葉を述べた。
 議事に先立って 暮尾淳氏が「戦時下の三人の詩人」を講演(詳細は6頁)した。講師の紹介は司会の八木幹夫理事が行った。

6_fmt 講師の暮尾淳氏
 さらに、2015年度第4回理事会で名誉会員に推挙された(15年11月19日)尾花仙朔、堀場清子の両氏についても満場一致で承認された。
 議事は、会員に送られた総会次第にのっとり、それぞれの担当理事が報告して進められた。ホームページの刷新についてはいくつかの質疑が成され、道半ばとはいえ前進もみられ今後力を傾注していくこととした。詩集賞のあり方検討委員会はスタートしたばかりだが問題点を整理しより良いものにするよう努力するとなった。懇親会は和やかな交流の場となった。最後には歌や踊りまで出て盛況のうちに総会日程を終えた。

 報告、提案、議論――総会の討議内容

以倉会長新延理事長八木理事、中本理事

左から以倉会長、新延理事長、八木理事、中本理事

◇総会承認事項(各担当理事報告)
 各担当理事が、会員に送付していた総会資料を基に要旨を報告した。概要は次の通り。
・会務一般について(新延理事長)
 2015年度の理事会は第1回から第11回まで計11回を早稲田奉仕園セミナーハウスにおいて開催した。議題と議事内容は会報に掲載しているので省略する。理事会への各理事の出席率も高く、重要事項の決定、各行事もスムーズに進んだ。会員名簿の発行は中本担当理事と新延理事長が担当し、12月1日現在の在籍者により発行した。広告は19社、広告収入は42万円であった。
・先達詩人の顕彰(新延理事長)
 田中清光氏、田村のり子氏。6月12日の「日本の詩祭2016」において顕彰し、顕彰状と記念品およびお祝い金を贈呈した。
・会報発行(斎藤理事)
 140号から143号までを発行した。各号の主な記事は以下の通り。140号(2015年10月)2015年度通常総会報告。新理事会の構成メンバーと役割分担。新名誉会員の紹介。141号(2016年1月)以倉会長年頭所感。先達詩人紹介。142号(2016年4月)第66回H氏賞、第34回現代詩人賞受賞決定、および選考経過報告、両氏の受賞のことば。143号(2016年7月)日本の詩祭2016報告。
・H氏賞、現代詩人賞の決定
            (秋理事)
 各賞の選考委員は第4回理事会で決定し、16年2月6日に第1回選考委員会、3月5日に第2回選考委員会をおこなった。第66回H氏賞には森本孝徳氏の「零余子回報」、第34回現代詩人賞には尾花仙朔氏「晩鐘」に決まった。
・「現代詩2016」の発行
    (田村副理事長、北畑理事)
 以下の記事を掲載した。第66回H氏賞関連、第34回現代詩人賞関連。先達詩人の顕彰関連。H氏賞、現代詩人賞
関連資料。
・日本の詩祭2016
         (田村副理事長)
 2016年6月12日に東京・飯田橋のホテル・メトロポリタン・エドモントで開催。今回のサブタイトルは「起ちあがれ、わがミューズたちよ」。第一部ではH氏賞、現代詩人賞の授賞式、先達詩人の顕彰、受賞詩人の自作詩朗読がおこなわれた。第二部では新倉俊一氏の講演「詩人 西脇順三郎とエズラ・パウンド」があり、八木理事が質問者となった。つづいて友部正人さんのフォーク演奏がおこなわれた。記名入場者は262名に上った。つづけておこなわれた懇親会には106名が参加した。
・東日本ゼミナール(杉本理事)
 2015年10月12日に秋田キャッスルホテルで開催。佐々木久春氏の講演「秋田の文学と風土―佐竹本歌仙絵を見ながら」、井坂洋子氏の特別講話「現代詩の今」、会員の詩朗読がおこなわれた。参加者は大会に82名、懇親会に35名であった。
・現代詩ゼミナール(東日本)と新年会         (杉本理事)
 2016年1月16日に早稲田奉仕園で開催。講演として神山睦美「詩人吉本隆明について」、平林敏彦「ぼくのセンチメンタル・ジャーニー」および会員の詩朗読がおこなわれた。参加者はゼミナール95名、新年会66名であった。
・西日本ゼミナール(北川理事)
 2016年2月20日に沖縄・那覇市のロワジールホテル那覇で開催。講演として平敷武蕉「時代に向き合う文学」、八重洋一郎「詩の方法・詩の未来」、および会員の詩朗読がおこなわれた。参加者は大会に164名、懇親会に110名であった。
・国際交流(鈴木理事)
 2017年4月2日にベトナムの詩人ヒュー・ティン氏を招聘する方向で打診中。なお、第36回世界詩人会議開催の要請があったが、予算化もされておらず総会にも間に合わないこと等から辞退した。
・入会審議(岡島理事)
 30名の入会と1名の再入会を決定した。なお2011年度からは入会資格の内規の2冊以上の詩集・詩論集・訳詩集・訳詩論集出版の実績を持つ者を改め、会則通りの運用としている。
・後援賛助(新延理事長)
 16件の後援賛助をおこなった。
・ホームページ運営(光冨理事)
 HPの内容としては、現代詩人会の広報、新人の発掘、会員の情報、現代詩の資料提供などとなっている。会員のアンソロジーを順次アップしている。夏から秋にかけて公開完了予定で、それ以後は会員情報などをアップしていく。詩の投稿欄には第1期に171編の投稿があった。選者は野村喜和夫、高貝弘也、峯澤典子の3氏。告知については雑誌の無料インフォメーション欄などのほかに、フェイスブック、ツイッタ―に公式ページを制作した。動画としては、詩祭の様子をビデオカメラで撮影し、Youtubeで視聴可能となっている。HPでも視聴可能とする予定。閲覧状況は月に1800人の閲覧者数である。現在、第1回から第65回目までのH氏賞受賞詩集の表紙画像をアップしている。
・その他(新延理事長)
 特別委員会として、新HP委員会、詩集賞のあり方委員会を発足させ、集中的に議論をおこなっている。H氏賞に関しては新人の定義について、詩人賞についてはダブル受賞をどうするか、など。
 平成28年度熊本地震について理事会で議論をおこない、被災者の方に申請をしていただいて一年間の会費免除を決定した。3人の方が対象となった。
・質疑応答
 新ホームページについて以下の質疑応答がおこなわれた。
 1.(質疑)ホームページのリニューアルについては理事会で検討するとなっており、事業は総会で承認されることが必要ではなかったか。(応答)前回の総会でリニューアルすることについては承認された。内容について理事会で検討し、投稿欄の新設、アンソロジーの収載をおこなった。資料、広報、動画は将来に向けての拡張性を持たせ、若い人を巻き込むHPにしたい。投稿欄のリスクなどについては今回のこれを試行として報告した。
 2.(質疑)コンテンツの魅力が伝わりにくい。デザイン・フォーマットが固く、写真がない。会員のエッセイなどがなく面白みがなくなった。(応答)デザイン、写真などはまだ充分には手が回っていないので、今後おこなっていく。若い人向けの頁を検討していく。たとえば朗読の動画など。
 3.(質疑)100万円以上のリニューアル・コストがかかっているが、見積もりなどはおこなったのか。新しいコンテンツを増やすときにさらに費用がかかるのではないか。(応答)妥当と思われる3社から見積もりを取り、決定した。今後は機能の実装の場合のみ費用がかかるが、通常のコンテンツ改訂は自分たちでやれる仕組みなので費用がかからない。
◇会計関係
 宮崎担当理事が、2015年度(2015年7月~2016年6月)の会計決算を読み上げて報告。会計監査を担当した秋山公哉、鈴木有美子氏が、会計が正当に執行されたことを確認した旨を報告した。
◇議案
・事業計画
 2016年度の事業計画案を新延理事長が報告。これに伴う2016年度収支予算案が宮崎理事より説明され、承認された。
・名誉会員の件
 以倉会長が尾花仙朔氏と堀場清子氏の推挙を提案。承認された。
・会費納入とそれに伴う議案
 布川理事が会費納入状況を説明。前年には2年以上の滞納者が200名あまりいたが督促をおこない現在は17名となっている。3年以上滞納者は1名がおり、会費・入会金納入細則第5条を適用することが提案され、了承された。
・質疑応答
 1.(質疑)70年記念事業の積立金の見通しはどうか。(応答)4年後なのでまだ議論を始めていない。
 2.(質疑)詩集賞の選考委員会は独立しているので規制してはいけないと考える。詩集賞のあり方検討委員会の議論の経過を会員に明示して欲しい。(応答)まだ1回開いたのみで、選考の問題点を確認したところである。逐次報告していく。
◇報告事項
・会員の入退会(中本理事)
 入会31名、退会29名、物故会員12名。2016年6月30日現在の会員総数は1060名で、このうち名誉会員は12名。昨年同期比6名減。
・会員からの便り
 欠席会員の消息を中心に、会員から送られた葉書の内容を北畑理事が披露した。
 田村副理事長の閉会の辞により総会は終了した。
 この後、会場を移して懇親会が開かれた。司会は朝倉宏哉、伊藤浩子の両氏で45名が参加した。北畑光男氏の発声で乾杯。アトラクションとして、渡辺文子さんが立原道造や寺山修司などの詩に付けられた歌曲を歌った。ピアノ伴奏は伊藤麻里さん。新人会員の佐々夕爾氏、遠方からの参加者の原利代子氏、塚本敏雄氏が挨拶スピーチをした。約2時間の懇親と交流が和やかにおこなわれた。 (文責・瀬崎祐)

左から伊藤氏、朝倉氏北畑氏鈴木氏

左から懇親会司会の伊藤浩子氏と朝倉宏哉氏、乾杯の北畑理事、スピーチをする鈴木東海子氏

ささき氏中原氏原氏高橋氏

スピーチをするささきひろし氏、中原道夫氏、原利代子氏、高橋次夫氏

渡辺氏(歌)と伊藤氏(ピアノ) 渡辺文子氏(歌)と伊藤麻里氏(ピアノ)

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