各地の声-二つの詩人の集まりがある横浜・横浜詩人会 植木肖太郎
各地の声
二つの詩人の集まりがある横浜
横浜詩人会 植木肖太郎
左端今鹿仙氏(撮影 鎮西貴信氏)
昭和二十年中ごろ、横浜のホースネック(牧野勲)の小さなバーに、土日を問わず、20名程の戦前からの詩人たちが詩を語り合っていた。中心は、近藤東・篠原あや・扇谷義男や山田今次・長島三芳・二十代の筧槇二・十代の植木肖太郎などである。木原孝一氏も良く見えた。お喋りの中から先達は、横浜の詩人の懇親会を創立した。
横須賀の長島三芳・筧槇二は度々会うから仲間だということになり、十六名の委員と、筧・植木・柴岡・島津・遠藤・たちが会員。会員の方が少ない。十年後に横浜詩人会賞を設けたいなあ、近藤が第一回に推したい詩集があった。当時は文芸誌の山脈から、石原武が書いたものを初版にせず「思潮社」から出してもらった。当時、日本未来派にいたボクは、水道橋の同人会場のトミーグリルに近藤と筧が連れてきた石原が、何やらそのようなことを話していたのを、微妙に感じていた。
横浜詩人会十年目の快挙ここに誕生で、その後の石原武の活躍はご存知で。
さて、全体で二十人そこそこの会が現在百二十名有余と発展。
去年は、会長・保高一夫(横浜で同人誌を五十年以上主宰)理事長植木肖太郎・そして、東京で活躍中の禿慶子を、60年実行委員長として、理事会で推薦。中村不二夫氏をお願いして盛大に講演会を開いた。彼もまた横浜詩人会員である。
さて、もう一つの、横浜詩誌交流会は、矢張り篠原あやの詩誌「青い階段」浅野章子などを中心に十誌ほどの結社で創った。同誌には、男一人荒船健二・詩誌交流会は、毎年「講演会」「朗読会」を開き、現在は「横浜・十番館」秋の恒例事業、去年は「菊田守」今年は「齋藤貢」氏らが講演。
菊田守氏は横浜が好きで、秋雨の横浜で九時過ぎまで方喰あい子など数人と楽しそうに話していた。最後になった。
60周年の年の詩人会賞は井上摩耶詩集二冊目、お父上の井上輝夫は、学者で評論家・日本詩人クラブ詩界賞を得ている。佐相憲一が掘り出した詩人で、今は「詩のぱれっと」誌で書いている。今年は同人誌で活躍の長い今鹿仙。やはり詩人会賞から会員になり、金井雄二などが参加の柴田千晶の会。この会は多分詩人会賞会員だけだ。東京に近い環境から、多くの会員が日本現代詩人会で活躍中である。田村雅之・下川敬明・光冨郁埜・そして人格者で・人気のある黒岩隆もそうだ。川崎にも、麻生直子さんの潮流詩派の会「清水博司」などが活躍。「流」という詩誌も出ている。福島純子・山本聖子なども着実に。
金子秀夫・福田美鈴は詩人会には入っていないが。詩誌交流会の仲間新井知次や鎮西貴信等とも講演会等で縁を持っている。細野豊は、日本現代詩人会の賞の委員長としてその責を果たしている。これらの中央での会員にボクはヨコハマファースト人間として苦しい応援心を抱いている。
さて、不思議と会長や事務長のなり手がない横浜詩誌交流会だが、「ポエム」というアンソロジーだけは、一年おきに確実に出している。横浜の同時代に生きた詩人の記録である。今年は、「アル」詩誌の西村冨枝が、編集。横浜野火にいた、菅野眞砂が、無理矢理に会長にされた。平林敏彦が会長時伊勢佐木町のジャズクラブモカンボの有名バンド仲間の「金井秀人」が、大きなベースを抱えて、横浜詩人会夏のジャズと詩の朗読会が始まる。
日暮れ前の野毛のジャズスポットで、服部剛から、進藤友佳に担当移動、去年は、平林敏彦氏が、静岡から参加。関中子の「つづき詩の会」地道な活動。阪多瑩子、大石規子・弓田弓子などは独自の詩誌を発刊。佐藤美樹・原田もも代も詩集・詩誌を刊行し頑張る。洲 史・梅津弘子・荒波剛など京浜詩派の本はますます厚い。府川清編集。佐川亜紀・中村吾郎等独自の活動。村山精二は県西での文学活動。石原妙子は中山妙子として俳句の元締。黒田佳子は、「焔」「詩のぱれっと」県央では、中上哲夫・広瀬弓・荻悦子も熱心に書いているらしいが詳細は不明。
神奈川県は、県名の会はない。最近各地に詩人会ができ、横浜詩誌交流会など日本現代詩人会会員の講演が多いのに援助が仰げない。何とか、例えば横浜詩人会理事会の認証とかを得れば、後援をお願いできないか。麻生直子・菊田守・齋藤貢と現代詩人会の3人の講演が続き、心から期待したいところ。