2015年7月新着情報
(2015年7月新着情報)
◇平成27年度中日詩人会役員(4月4日の第55回総会で承認)会長・若山紀子 副会長・川上明日夫 事務局長・岩井昭 会計・竹内萌 会計監査・青木美保子、東山かつこ 運営委員・井手ひとみ、今井好子、大西美千代、中原秀雪、長谷川節子、長瀬一夫、河原修吾、加藤恵子、紫圭子、古賀大助 詩集賞選考委員・若山紀子、宇佐美孝二、大西美千代、川上明日夫、堀昌義、紫圭子
◇4・6~4・25 働淳個展(東京都調布市調布画廊)5・20~6・7(福岡市早良区早良美術館るうゑ)
◇4・18 第21回福井県詩人懇話会総会・記念講演 北原千代「須賀敦子の文学と翻訳詩」
◇4・26 淑徳ポエトリーリーディング/SHUKUTOKU朗読会Ⅱ(淑徳大学池袋サテライト・キャンパス) 詩の朗読の奥深さと、味わいを多くの方に知ってもらおうと、淑徳大学公開講座として開催された。八木忠栄氏と和合亮一氏のトークをはさんで、個性豊かな詩人が登場した。八木、和合両氏以外の朗読者は次の通り。相沢正一郎、中本道代、岡野絵里子、川口晴美、森山恵、有働薫、渡辺めぐみ、浜江順子
◇5・16 「ラクダが針の穴を通るとき―3・11後の時代と女性の言葉」=「詩と思想」9月号作品特集<穴のあいた詩>・公開座談会=パネラー・岡島弘子、河津聖恵、中村純 司会・一色真理 コーディネーター・為平澪(京都市下京区・キャンパスプラザ京都)
◇5・16~31 前橋ポエトリー・フェスティバル2015―マエバシ猫町(以下主なイベント)
▽5・22 「さくこと─邦楽で紡ぐ朔太郎の世界」(前橋まちなか音楽館)
▽5・23 マエバシ詩学校「詩を開く」(前橋文学館)講師=亜久津歩、伊藤浩子、田中庸介ほか
▽5・23 広瀬大志 前橋詩編「ウォーキング・デッドin前橋」(前橋文学館)
▽5・23 ポエトリー・リーディングin前橋文学館(前橋文学館) 出演 亜久津歩、浅見恵子、伊藤浩子、黒崎立体、渡辺めぐみほか
▽5・24 詩と音楽のオープンマイクinアルキロコス
◇5・23 第30回詩歌文学館賞贈賞式(岩手県北上市・同館)第一部贈賞式=詩部門・八木忠栄『雪、おんおん』 第二部=記念シンポジウム「戦後70年―震災を経て、いま」パネリスト=平田俊子(詩人)、花山多佳子(歌人)、高野ムツオ(俳人) 司会・篠弘(文学館館長) 記念講演=又吉直樹(芸人)
◇5・24 埼玉詩人会主催埼玉詩祭2015「生命を詩う塑像の構築」 さいたま市民会館うらわコンサートホール=「各地のイベント」参照
◇詩人会議新常任運営委員(5・31~)運営委員長・小森香子、編集長・秋村宏、事務局長・南浜伊作、常任運営委員・青木みつお、大釜正明、木島章、小泉克弥、佐相憲一、洲史、白根厚子、床嶋まちこ、はなすみまこと、青山房子、やはぎかのう、山崎由紀子
◇6・5~6・17 第24回「詩画展―きらめく詩とイメージのコラボ」(大阪エントランスギャラリー・関西詩人協会主催)
◇6・7 第23回現代詩作品展「つながる」(前橋文学館)主催・群馬詩人クラブ
◇6・13 第66回日本詩人クラブ総会(東大駒場Ⅰキャンパス)事業実績報告、26年度決算・同監査報告、27年度事業計画・同予算承認、永年会員顕彰、新役員など承認。新理事会メンバー・担当:会長・武子和幸、理事長・太田雅孝、総務・鈴切幸子、長谷川忍、例会・冨岡悦子、広報(詩界通信)水嶋きょうこ、広報(ホームページ)谷口ちかえ、会計・小野ちとせ、国際交流・細野豊、詩界・下川敬明、詩の学校・林哲也、地方大会・中村吾郎、入会・岡野絵里子、詩書画展・中井ひさ子、三賞・村尾イミ子、関西大会・江口節、監事・狩野敏也、千木貢=任期は29年総会終了まで
◇6・13 2015ボルヘス会迷宮忌創立15周年記念大会(東京・六本木 ストライプハウスギャラリー)「ボルヘスと日本の詩の現在」シンポジウム 出演・新井高子「ボルヘスの街で詩を読む 第10回ブエノスアイレス国際詩祭に参加して」、高橋睦郎「形而上詩人としてのボルヘス」、マリア・コダマ(ボルヘス国際財団理事長)「ボルヘスと俳句」 司会・野谷文昭(ボルヘス会会長)
◇6・14 第6回詩話会(大阪市立西区民センター)講師・瀬野とし
◇7・12 野川朗読会6(東京世田谷・成城ホール集会室)ひとことテーマ:無敵のひとこと ・一部朗読:新井高子、伊藤浩子、小笠原鳥類、そらしといろ、渡辺めぐみ他・二部朗読:相沢正一郎、一色真理、岡島弘子、杉本真維子他・対話:田野倉康一、そらしといろ、長野まゆみ 司会:一色真理
◇7・12 第55回中日詩祭(名古屋電気文化会館)中日詩賞・新人賞贈呈式 講演・田原氏「本当のバイリンガル」 アトラクション・カウンタテナー松本宗弥氏の弾き語りコンサート
◇7・12 福岡県詩人会総会(福岡市中央区天神一丁目・西鉄イン福岡) 第51回福岡県詩人賞贈賞 先達詩人・土田晶子、宮本一宏氏顕彰
◇7・16~7・23 小島きみ子の「フラワーアートと現代詩」展(長野県佐久穂町「ギャラリーくろさわ」 期間中の7・19、同所で「高原の朗読会」開催 朗読参加者 一色真理、伊藤浩子、岡島弘子、作田教子、浜江順子、平野光子、山嵜庸子ほか 小島きみ子と百瀬雄太(ギター)のコラボレーション
◇8・29、30 詩朗読きゃらばんin九州―現代生活語詩朗読会―8・29午後3時~5時(熊本市中央区出水・カフェレストランみなみのかぜ) 8・30午後3時~5時(福岡市中央区警固・イタリア料理店グラプレ 問合せ=世話人・働淳(℡090-8407-6607)
◇4・25~6・21 田中冬二展「なつかしい日本の風景」
1971~72年に日本現代詩人会会長を務めた田中冬二(1894~1980)の足跡をたどり、直筆の原稿、書簡、書画、写真など100点が展示された。田中冬二は福島県生まれだが、銀行員として各地で勤務。18冊の詩集を刊行。長野と共に山梨を好きな県と語り、富士岳麓、早川町奈良田、西山温泉、甲府、勝沼などに足跡を残している。奈良田地区には作品「山郷」の詩碑がある。
期間中の6月6日(土)には、「磨きぬかれた日本語─田中冬二の詩の美しさ」と題して、作家・林望氏による講演会も開催された。
◇「現代詩実作講座」手探りからの出発 ――仙台文学館ゼミナール 講師・清岳こう
東日本大震災から一年が過ぎた春、仙台市文学館で現代詩の実作講座がスタートしました。「私たちの体験を、気持を書き遺したい」という声に押されての出発でした。と、いっても、受講生、講師、ともどもほとんど手探り状態。受講生約二十人のうち大半が初心者、詩の鑑賞だけに徹する人も数人。それも年に五回から六回というわずかな時間での学びでした。しかし、なんといっても、「私たちの詩」をという切実な思いが教室に満ちていました。
遠く山形から駆けつけて来られる方、自転車で二時間の道のりもものともせず通われた方、福島の老舗油屋を閉じて移住して来た方、病気を抱えた方。「書かずにはおれない」さまざまな事情、文学的エネルギーを内包している点では、講師の力量を超え、恵まれていたと思います。受講生のみなさんの熱意と率直で開放的な批評の場に支えられ、講座開設二年目には、詩誌『とんてんかん 仙台文学館13人衆』発行にこぎつけることが出来ました。また、このささやかな詩誌に全国から熱い批評、なかには一作一作に対しての懇切丁寧な先達たちからの便りが何通も届けられ、皆で感動し、おおいに励まされました。
今年は締めくくりの年、三年目を迎えます。文学館という場から独立し、一人歩きをしなければなりません。詩の鑑賞、実作に加え、詩と写真・書等とのコラボレーションの展示も準備中です。さらに、「茨木のり子さんを偲んで庄内ツアー」の案もあります。
詩で苦しむもよし、楽しむもよし、沈黙でダンディを守るのもよし。すくなくとも仙台から、宮城から一歩踏み出す勇気をいただいたことを感謝したいと思います。(清岳こう記)
◇今年度の日程
5月31日、6月28日、8月30日、9月27日、10月29日(仙台市青葉区・仙台文学館)
各地のイベントから
広島県詩人協会2015年度総会 「詩の心・ふるさと源流」川上氏が講演
2015年度広島県詩人協会総会及び講演会が、5月24日(日)午後1時半から、広島市内のホテルニューヒロデンで開催された。天気予報は雨だったので、出足が悪いのではと心配されたが、うれしいことに当日は快晴となった。
長津功三良会長の開会挨拶の後、議長に井野口慧子氏を選出。北村均事務局長による2014年度事業報告、万亀佳子会計担当幹事の2014年度会計報告、北川典子氏の監査報告と続き、役員選挙の経過報告が北村事務局長からあり、木村大刀子新会長から新役員の紹介がなされた。2015年度事業計画案が、豊田和司新事務局長から説明があり、続いて2015年度予算案が、伊達悦子新会計担当幹事から提示され、いずれも満場一致で承認された。参加者35名。
コーヒー休憩をはさみ、講演の部に移る。講師は川上明日夫氏。演題は「詩の心・ふるさと漂流」。鮎川信夫の出会いから説き起こし、彼の抒情の面に触れ、ふるさとの詩を書くことの意味を味わい深く講演された。
サイン会の後、同ホテルで懇親会が持たれ、和やかな内に会は終了。飲みかつしゃべり足らない若干名は、講師を担ぎ出し夜の巷に繰り出していった。参加者24名。
岐阜県詩人会 第3回定期総会 「サクラ・さくら・櫻」松尾静明氏講演
5月31日(日)岐阜駅スクエアーGにおいて開催。参加36名
冨長覚梁会長から「詩人会ができて三年目を迎えた。我々一本一本の椎の木(県木)が集まって、森を作り上げた。詩人集を見ていると、その森の中を歩いているようで、森の深さを感じる。今年度も、お互いに切磋琢磨して、豊かな森を作りたい」と挨拶があった。
議案に移って、平成26年度事業報告・決算報告、27年度事業計画・予算案と滞りなく進み、理事の選挙結果の報告。今年度役員人事の提案があり、賛成多数で原案通り可決。その後、参会者の自己紹介を行い、お互いの親睦にもなった。
《記念講演》演題「サクラ・さくら・櫻」 講師 松尾静明氏
講演に先立ち、塗板に「わぁ!/あっ!/えっ!」と書いてある。講演は、この三つの言葉に、参会者が題名をつけることから始まった。参会者はとまどいながらも、それぞれが題名を発表した。このユニークな導入で、硬い雰囲気もほぐれたようだ。以下講演を要約する。
桜の歴史は、初め、稲作と結びついて吉凶を占っていたが、ぱっと咲いてぱっと散ることから、死のイメージが強くなり、その自然的情緒が軍国主義へと結びついていった。しかし、詩人は、自然的情緒に流されないで、冷静に見つめていくことが大切である。私の考える詩とは「プラスアルファーである」言い換えれば、そこに描かれた現実に、幾らかのものが付け加えられてできた新しい現実である。優れた詩には、それがどのような書き方であっても、現実を超えた新しい現実がある。分からないと言われる詩にも、やはりそれはある。例えば、西脇順三郎の詩「天気は」は、イメージを捉えたらそれで良いけれども、それだけで終わらない、研ぎ澄まされた知性の香りがある。それがプラスアルファーである。詩は、自分の言葉で書けと言われるが自分の言葉には、二つあって、一つは、その人独自のものの見方から生まれる言葉であり、もう一つは、詩を読んで感じた余韻とか、香りとか、雰囲気とか、考えたり想像したりする中で成立した言葉である。どうしたらプラスアルファーの部分を表現できるかといえば、「日常を超える」「ふつうを超える」「対象を超える」「自分を超える」ことである。この四つを行うことで、言葉が自分のものとなり、自分の風景を作り上げることができる。これまでの自分や感覚が考えたものとは違う、そこにプラスアルファーができるのである。
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分かりやすく丁寧な語り口で、具体的な作品からプラスアルファーを検証されて、聞く者の心に響くものが有った。それは参会した人たちの中に、プラスアルファーができたと言うことでもある。 (文責 佐竹重生)
埼玉詩祭2015 埼玉詩人賞贈呈 北畑光男氏講演
5月24日、埼玉詩人会主催、日本現代詩人会、日本詩人クラブ、埼玉文芸家集団後援による「埼玉詩祭2015」が、「生命を詩う塑象の構築」をテーマにさいたま市民会館うらわコンサートールにて開催された。参加者は招待が20名、一般が15名、会員が68名と総勢103名となった。
第Ⅰ部の第21回埼玉詩人賞の贈呈式では、星善博選考委員長から「会員推薦を経て理事会から推薦のあった八冊の作品を審査した。最終選考では、峯尾博子さんの『交信』と、杜みち子さんの『ぱらっぱ ぱらっぱ』が対象となり、丁寧かつ慎重に審議を重ね、投票となり『交信』に授与されることになった。『交信』は行間を歩いていて、どこに連れて行かれるのかわからないスリリングな読みの楽しみを味わうことができ、今回の候補詩集の中で『交信』だけが持っている大きな特徴を評価した。
峯尾博子さんには高橋会長より賞状と副賞が贈呈され、峯尾さんからは受賞への謝辞と『交信』が上梓されるまでの経緯を語られた。また、所属する同人誌「晨」の代表である清水榮一さんから「受賞者の人と作品」と題して、峯尾さんの日頃の詩と向き合うひたむきな姿勢や作風などについて、ねぎらいのことばとともに紹介された。
第Ⅱ部では、日本現代詩人会理事長で元埼玉詩人会理事長であり、村上昭夫研究「雁の声」主宰の北畑光男さんが『ヴィアトール・村上昭夫の発見と問い』と題して講演された。学生の頃に村上昭夫の詩集と出会い、立ち読みの場で体の震えが止まらなくなり、その後の研究の契機になったと話され、昭夫の生涯と病の向こうに澄んだ詩の世界を描く作品の数々を紹介された。持ち込まれた昭夫の詩集は短時間のうちに売り切れ、聴衆の関心の高さを物語っていた。
第Ⅲ部では、『埼玉を謳う・美しい四季と虫の唄』―狩野敏也の詩による歌曲集より―と題して、日本歌曲振興会新・波の会埼玉支部の4名により演奏会が行われた。白小鳩の唄、音楽寺幻想など8曲が演奏された。
横浜詩人会セミナー「教科書と詩」高山利三郎氏が講演
横浜詩人会の第27回現代詩公開セミナーが、6月28日午後2時から同4時半まで、会員ら35名が参加して、横浜市中区の「野毛HanaHana(はなはな)」で開催された。講師は日本現代詩人会会員の高山利三郎氏。冒頭、中上哲夫横浜詩人会会長が挨拶、続いて高山氏が「教科書と詩」いうテーマでボードを使いながら講演した。
まず、ある女子高生の会話から中原中也の「汚れつちまつた悲しみに…」を聞いて、今でも中也は生きている、詩の一行でも子どもたちの心の中で影響を与えている、と語りかけて開始。今、教室の詩はどうなっているかという点では、教師は、詩は教材としては扱いにくい、どう教えていいか分からないと思っていることを示した。
続いて、詩の授業の実践例として、三好達治「雪」と津村信夫「冬の夜道」から読みと解釈について説明。二つの授業から、子どもたちからは「短い詩でも深い、想像することが楽しい。詩が好きになった。もっと読みたい」、教師からは「子どもの心の引き出し方がわかった。詩の見方が変わった」などの声があったことを紹介した。まとめとして「詩は子どもの感性と心を育てる。詩を読む人が増え、詩を書く人も出てくればと思う」と語った。
講演終了後参加者と活発な質疑応答が交わされた。 (報告・光冨郁埜)