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詩界ニュース

2013年12月新着情報

2013年12月新着情報

◇ 5・3 日本詩人クラブ新役員(2013年6月総会~2015年総会終了まで)会長・細野豊 理事長・川中子義勝 理事 総務・ささきひろし 中村吾郎 例会・鈴木豊志夫 広報・村尾イミ子 会計・黒羽由紀子 国際交流・谷口ちかえ 詩界 ホームページ・長谷川忍 詩の学校 作品研究・庄司進 地方大会・禿慶子 入会・北岡淳子 アンソロジー・中井ひさ子 詩書画展・小川英晴 三賞・高山利三郎 関西大会・金堀則夫 監事・狩野敏也 高田太郎
◇6・30 栃木県現代詩人会定期総会 2013年度新役員 会長・我妻洋 副会長・金井清 事務局長・斉藤新一 理事・和気康之 野澤俊雄 入田一慧 本郷武夫 草薙定 矢口志津江 中島粂雄 大野敏 都留さちこ
◇9・1~12・25 中村泰三「詩の世界」展 (蕨市立図書館)
◇10・5 第13回中四国詩人会・香川大会(リーガホテルゼスト高松)中四国詩人賞表彰式 記念講演・南邦和「韓国の歴史風土と文学事情」
◇10・5 宮沢賢治没後八十年記念講演と構成詩・朗読の午後(大阪ドーンセンター 関西詩人協会主催)講演 冨長覚梁「言葉と生・詩」
◇10・6 福岡市民芸術祭参加「詩誌にみる現代詩の今」福岡県詩人会
◇10・12 日本詩人クラブ十月例会(東京駒場・ファカルティハウス)講演 ピーター・A・マックミラン「日本のうたごころを世界へ─百人一首や伊勢物語の和歌の英訳」
◇10・15~16 日韓文化交流in大邱と東海岸(江原道)の旅(韓国大邱西武図書館)講演 中原道夫 高霊に移動 講演 南邦和「古代日向と伽耶」
◇10・17 『ガレキの言葉で語れ』第41回壺井繁治賞受賞 照井良平出演(豊島区 東京平和教会)天童大人プロデュース詩人の声第1002回)
◇10・26 港の詩人座第31回「新しい詩を読もう」(横浜市磯子区 ラパンアジル)植木肖太郎 方喰あい子ほか
◇10・27 2013年度板橋区民文化祭(東京 板橋区立文化会館4F大会議室)講演 菊田守「日常生活と詩」
◇10・27 第35回ちば秋の詩祭(千葉市民会館小ホール)講演 金子秀夫「詩作60余年 出会った詩人たち」
◇11・3 輝け9条!文化のつどい(新所沢公民館ホール)講演 佐々木愛「いのちの大切さ」 詩の朗読 秋村宏 大河原厳 青木みつお 後藤基宗子 山本みち子 柳生じゅん子ほか
◇11・4~10 原子朗墨戯展(東京中央区 長谷川画廊)
◇11・4 埼玉文芸家集団創立十周年記念「秋のつどい」(さいたま文学館ホール)文芸対談 金子兜太・中村稔
◇11・9 日本詩人クラブ国際交流トルコ2013─講演と映像で構成する「トルコ共和国現代詩の
90年」─(東響 駒場21KOMCEE レクチャーホール 第1部〈ナーズム・ヒクメットから
現代トルコ詩人たちへ〉 石井啓一郎イオン・オネル 第2部 トルコ大使館共催〈トルコ&トルコ現代詩への招待〉
◇11・10 「伊藤桂一文学オータムセミナー2013」(四日市市図書館)「戦記作家になって、そして今」
◇11・16 伊東静雄没後60年現代詩セミナーin神戸2013(神戸女子大学教育センター)基調報告 田中俊廣 シンポジウム〈パネラー〉田中俊廣 倉橋健一 今野和代 寺田操
◇11・17 詩誌「Down Beat」 版画と詩のラプソーディア(横浜市 たけうま書房)詩 金井雄二 小川三郎 徳弘康代 中島悦子 柴田千晶 今鹿仙 甘楽順治
◇11・17 関西詩人協会第20回(2013年度)総会(大阪 エルおおさか会議室)講演 岡隆夫「詩型と彫琢─欧米と日本の実情」
◇11・21 詩朗読きゃらばんで出会った詩人たち(関西芸術センター)朗読とギターと歌・有馬敲 
◇12・21~12・25 秋谷豊パネル展(埼玉 鴻巣市民活動センター)記念講演 ささきひろし「秋谷豊の詩業」
◇11・23 ランプ忌・第5回それでも地球は回っている─秋谷豊の詩を読み語る会(北浦和・カルタスホール)記念講演 中村不二夫
◇11・23 村田正夫追悼記念ポエムセクション(東京 中野サンプラザ 主催 潮流詩派の会)講演 荒川洋治「詩と世界」
◇12・7 日本詩人クラブ12月例会・忘年会(目黒区 東大駒場学際交流ホール)講演 木村淳子「ホロコーストの詩人ロッテ・クラマー」 詩朗読 内田武司 こまつかん 高橋紀子 八覚正大 水嶋きょうこ


群馬詩人クラブ秋の詩祭開催

 11月23日、群馬詩人クラブ秋の詩祭が開かれ、詩人田中武氏が講演した。
 田中武氏講演「詩のはじめ・詩の事情」。詩の出発からその後の活躍を通して、また本人の出生から現在に至る様々な体験を淡々と語る田中さんを見ていると、詩への情熱と鋭い洞察力を感じざるを得ない。
 青年時代の思い出の中に3か月間のモラトリアム時間の話があった。学校を卒業してから家業の仕事に就くまでのほんの短い時間がとても貴重だったということであった。
 田中さんの詩の原動力がこの時期に形成された。青年期に「文章倶楽部」への投稿とその後に結成された「ロシュナンテ」が田中さんの詩の世界を広げてくれた。そこで、谷川俊太郎、石原吉郎など沢山の詩人たちとの交流があったようである。
 興味深い話題のひとつが田中さんと石原吉郎とのこんなエピソードであった。それは詩についての次の話である。
 石原さんが田中さんに「詩は全部分かってはいけない。分からない部分を残しておくのがいい」という話をしたそうである。
 その言葉を聞いた時、私の中で長年、疑問に思っていたことがやっと分かったように思えたのだ。詩の内面の本当の部分は人の心に不確かに謎めいていたほうがいいのだと改めて思えた瞬間であった。(狩野つとむ)
 
 

 関西詩人協会総会、岡氏が熱弁

 2013年11月17日(日)午後1時30分より、エルおおさかにて、第20回関西詩人協会総会が開かれました。第一部総会の後、第二部は岡隆夫氏(文学博士・岡山大名誉教授)の講演、「関西詩人協会自選詩集」第7集出版記念会、朗読、そして懇親会とプログラム通り終了しました。65名が参加しました。
 岡隆夫氏による講演は「詩型と彫琢―欧米と日本の実情」という演題で、Emily-Dikinsonを介しての黒柳徹子との出会いの導入から、詩の本質について熱く語られる興味深さに会場はしんとして聞き入ったことです。熱愛する詩人エミリー・デイキンスンについて、あるいは、西欧文明の起源、現代詩、モダニズムアメリカン・ルネッサンスとその現代詩、アジア日本の現代詩、ご自分の詩作についてなど、広範囲に渡っての意義あるお話でした。
 詩の本質、即ち詩の存立の大切な要素、例えば①キーワードは新たなものに変質しているか。芭蕉の句―唐崎の松は花よりおぼろにて―のように松が花より美しく見えること、それが詩である。②さらに独自のリズム感③文学の本質は変らないがその素材は変わる④衣食住の基本的構造は変らないが素材は変わる。等々、まだまだ多くの感銘を受けたこと書ききれず残念です。そして始・終を重ねる形式の応用、デイキンスンの四行詩の素晴らしさを改めて知ったことなど貴重な時間でした。一層に詩を身近に感じたひとときでもありました。 (横田英子)
 

 中四国詩人会・香川大会開く

 中四国詩人会第13回香川大会が2013年10月5日(土)、日本現代詩人会、四国新聞社、朝日新聞高松総局の後援を受けて、高松市リーガホテルで開催された。山本衞会長の開会の挨拶の後、総会議長に秋吉康氏を選出。新理事、会則変更、事業・会計報告、予算案等が承認された。
 次いで、第13回中四国詩人賞表彰式に移り、山本会長より、詩集『三日箸』(土曜美術社出版販売)の壷阪輝代氏と、詩集『ゆでたまごの木』(思潮社)の木村大刀子氏にそれぞれ正賞と副賞が授与された。引き続き、岡隆夫選考委員長より、選考経過報告があり、受賞者のことばと詩の朗読があった。
 次に、中四国詩人会員による詩の朗読があり、朗読者は(岡山)中川貴夫、(徳島)牧野美佳、(鳥取)渡部兼直、(島根)川辺真、(広島)川野圭子、(山口)秋吉康、(高知)大森ちさと、(香川)鷲谷みどり、吉川悠子(順不同)。
 休憩の後、南邦和氏による「韓国の歴史風土と文学事情」と題する特別講演があった。南氏は1933年朝鮮半島生まれ。敗戦後、裁判所職員として活躍し、現在は宮崎県在住。詩集『源郷』『ゲルニカ』など多くの詩集があり、自伝的評論集、エッセイ集、放送対話集、戯曲等の著作があり、宮崎県文化賞等多くの賞を受け、日本現代詩人会、日本ペンクラブ等会員として現在も旺盛に活躍している。
 南氏の主張は、韓国の詩は質量共に日本より高く、詩人のステータスも高い。韓流ドラマに見られるように、王権、両班、賎民の身分制がほぼ2600年続いた。日帝の暗黒時代の空白が今も根深く続いている。そして、抵抗詩人の系譜も深く長い。光復節(1945)以後も韓国詩は充実している。以上が概略であり、南氏の実体験として分かりやすく話され迫力があった。
アトラクションとして、一弦琴による清水美智子氏の「平家物語」の演奏と歌、及び楠原季余子氏の胡弓の演奏があり、60余名の聴衆を魅了した。
このあと懇親会があり、翌日は平賀源内記念館、屋島源平古戦場等の見学ツアーがあった。(中四国詩人会事務局長・岡隆夫)

 

 国民文化祭「現代詩の祭典」をふり返る

 第28回国民文化祭「現代詩の祭典」が、「いのちのきずな 詩のきずな」をテーマに、2013年10月26(土)・27(日)の両日、山梨県笛吹市で開催された。私たち山梨県詩人会は、3年間笛吹市の事務局と共にこの事業の企画、準備、実施に関わった。
 笛吹市は、多くの文学者を輩出している。作家では深沢七郎、直木賞を受賞した辻村深月、俳人では飯田蛇笏・龍太、石原舟月・八束、歌人では大野とくよ、上野久雄、詩人では日本現代詩人会名誉会員の堀内幸枝、山梨の先達詩人で日本未来派でも活躍された内田義広、詩人会議の反田満らである。
 国民文化祭詩部門は通常一日限りの開催で「文芸祭現代詩大会」として開催されている。全国の小・中高生、また一般から詩を募集、文部科学大臣賞などを選考し、表彰を行うのである。その後、アトラクションを楽しむというのが一般的なパターンである。山梨の場合は「現代詩の祭典」と銘打って、26日は、ローカル色を全面的に演出に組み入れ、「堀内幸枝の詩を楽しむ」として堀内幸枝氏の生家近くのぶどう園(金桜園)で、竹と藤の蔓であしらった独創的なステージで行われた。
 日本現代詩人会の鈴木正樹氏による「詩人の半生」の講演、地元グループによる朗読、合唱、また同地出身で日本の詩壇で活躍する岡島弘子、中村吾郎のゲスト詩人の朗読、また2部として、堀内幸枝氏の生家と歌碑めぐりも楽しんだ。
 二日目の「文芸祭現代詩大会」では、文部科学大臣賞、日本現代詩人会会長賞ら十一賞の発表と表彰を行った。これまで平均二千篇程度の応募数のところ、六、五〇〇篇近い作品が集まり、一次選考を受け持った10名の山梨県詩人会会員も大変な苦労をされた。日本現代詩人会、日本詩人クラブ、山梨県詩人会からそれぞれ3名ずつ推薦された最終審査員が慎重な議論を重ね各賞を決定した。文科大臣賞には、青森県の和井田勢津さんの、鮭と人間との関わりに大震災をからめた「さけのはなし」に決定。授与式の後、諫川審査委員長の講評、受賞者による受賞作品の朗読があり、感銘を与えた。
アトラクションでは、谷川俊太郎、「千と千尋の神隠し」の作詞者で詩人の覚和歌子、THEBOOMのボーカリストで詩も書く宮沢和史氏による[詩はきずなをつくれるか]と題しての鼎談があった。「この大会こそが詩のきずなの具現である」と語られ、それぞれの自作詩も朗読した。
 続いて、地元石和町出身で本県の先達詩人であり、日本未来派などでも活躍した内田義広の詩「笛吹川の水辺にて」などから詩を3篇、山梨県詩人会会員4人が朗読した。この後、次回開催地、北秋田市への引き継ぎ式が行われた。大会終了後、詩人交流懇親会があり、受賞者も含め62名の詩人が和やかに歓談してすべての日程を終了した。二日間の入場者は六百名であった。
この大会を機に、地元笛吹市に詩の会が生まれ、早くも同人誌が創刊されたこともうれしいことである。俳句や短歌に押されがちの詩の現状であるが、詩の可能性は無限であり、文学の原点であることも再認識したところである。(山梨県詩人会会長・古屋久昭)
 
 

 板橋区民文化祭、詩の祭り盛大に

 恒例の「2013年板橋区民文化祭・詩のつどい」が、台風一過の10月27日、区立文化会館で行われました(『区民詩集樹林第28集』も同時刊行)。板橋詩人連盟会長・中原道夫の開会の言葉。坂本健区長の主催者挨拶。西岡光秋来賓の挨拶。内藤健治選考委員長の選考経過発表。受賞者は、区長賞が小樅のりこ「椅子」、議長賞が内山マリ(90歳)「生きること」、教育委員長賞が白坂遥史(中学生)「白球の夢」。
 記念講演は、菊田守先生の「日常生活と詩」。芭蕉の「古池や…」の句における切れ字「や」の重みについて、また室生犀星から辻征夫にいたる六名の詩人の代表作を朗読、詩作品の終末部分の大切さについて示唆を提供、さらに「天秤棒かついで」などの自作詩を引用しつつ、詩作の実習を具体的に解説されました。
 コーラス・グループ〝アカシア〟による合唱「今をうたう」。小野浩、桜井さざえ、沢聖子、中尾敏康、高橋紀子、中田紀子、平野秀哉、琴天音、宮崎亨各氏による自作詩朗読。女性五名の二胡演奏、加藤孝信ギター演奏のあと、板橋詩人連盟理事長・山川久三の閉会の言葉で終了。参加者は百人を超え、会場を移しての懇親会は一段と盛り上がりました。 (山川久三記)
 
 

 「福島県詩祭」いわき市で開催

 2013年度(第52回)福島県芸術祭・第36回詩祭「講演と朗読のつどい」が、10月14日、いわき市文化センターで開催されました。
 講演は「鮫の詩人」の芳賀章内さんが、『詩と修辞(レトリック)』と題し、アリストテレスの弁論術から修辞学を説き起こし、「詩は発展的認識である」と強調されました。
 (時あたかも岩波書店創業百年を記念して『新版アリストテレス全集』全二十巻別巻が半世紀ぶりに出版され始めており、それと呼応するかのようです)
 話は本論に入り、日常言語と詩的言語の違いを、シュールレアリスムのデペイズマンを例に上げながら、山村暮鳥や草野心平の作品を紹介し、分かりやすく説明してくれ、詩的言語の非文法性の結論を導き出してくれました。最後は修辞の八分類を、具体的に示してくれました。
 午後は恒例の県内六地区による朗読となり、「大震災、その後」のテーマの下、自作詩の朗読が行われました。
 東京からは、ゲストに鈴木比佐雄さんが駆け付けてくれて、日本現代詩人会の東日本大会開催を福島でどうかと提案されました。(実行委員長・長久保鐘多)

 

 

 

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