理事会の役割
日本現代詩人会会則
(昭和25年1月21日現代詩人会創立 昭和35年1月15日現称に改め)
第1章 総 則
第1条 この会は日本の詩人の権益を団体的に守り、現代詩の普及発展のために協力し、国際的活動を推進し、詩人相互の親睦をはかることを目的とする。
第2条 この会は日本現代詩人会(Japan Poets’Association)とよぶ。
第3条 この会は事務所を原則として東京都におく。
第2章 会員
第4条 この会は詩人と詩の評論家を会員とする。
第5条 会員は会費を納入し、会則に従わねばならない。
第6条 この会に新しく入会する者には次の資格のすべてを要し、手続を必要とする。
( 1 ) 詩集・詩論集・訳詩集・訳詩論集を出版した者およびその他詩的業績を示した者。
( 2 ) 会員1名、理事1名の推薦をうけて入会申込書を提出した者。
( 3 ) 理事会の承認をうけた者。
( 4 ) 入会金と入会年度の会費の納入をすました者。但しH氏賞、現代詩人賞を受賞した者が非会員の場合、理事会推薦を受け入会資格を得る。この場合には入会金を不要とする。
第7条 この会を退会する者は書面によって理事会に申し出て承認をうけなければならない。
第8条 会員がこの会の名誉を損い、または会員としての義務を怠ったとき、理事会は総会にはかってその議決によって除名することがある。
第9条 この会に第4条の会員のほかに名誉会員と賛助会員をおくことができる。
名誉会員は日本の詩の発展に貢献し、かつ本会の活動に寄与した会員のなかから理事会が推薦し、総会で決定する。
名誉会員は理事の被選挙権を除き、一般会員が持つすべての権利を持つ。
名誉会員の会費は不要とする。
賛助会員は必要に応じ、本会の事業・行事の協力者となることがあるが、一般会員が持つ権利を持たない。
賛助会員は、この会の趣旨に賛成し、毎年一定の会費を納入するものとする。
第3章 事業
第10条 この会は会の目的のために次の事業を行なう。
( 1 ) 詩人の著作物の権利の擁護。
( 2 ) 詩人の社会的地位の伸展。
( 3 ) 詩人の生活の擁護。
( 4 ) 慶弔金、病気見舞金等の贈呈。
( 5 ) 講演会、講習会、研究会、展覧会の開催。
( 6 ) 海外詩人との交歓。
( 7 ) 国際会議への参加と協力。
( 8 ) 現代詩の翻訳出版と海外活動。
( 9 ) 会報の発行、詩書の出版および会員の出版物の斡旋。
(10) 現代詩の発展に貢献した詩人の顕彰。
(11) 詩集賞の授与。
(12) その他必要と認めた事業。
第4章 会計
第11条 この会の運営費は次の諸収入からなる。
( 1 ) 会費 ( 2 ) 寄付金 ( 3 ) 出版物の印税、講演会、講習会、その他の事業による収入。
第12条 この会の会員は年額10,000円、賛助会員は1口20,000円以上を会費として納入するものとする。
なお理事会は必要に応じ、その議決により、上記の年会費のほかに、会員の自由意志による寄付金を求めることができる。これを維持会費と称し、1口10,000円とする。
第13条 この会の新会員の入会金は30,000円とする。
第14条 この会の会計年度は7月1日に始まり翌年の6月末日に終る。
第5章 役員
第15条 この会は会を運営するために会長、理事、監事、および「詩集賞・公益信託代表」をおく。
第16条 この会は理事18名をもって理事会を構成する。会長を理事以外から選出した場合は、会長と理事18名をもって理事会を構成する。
第17条 理事は会員の10名連記無記名投票によって選出する。
第18条 会長および理事の任期は2ヵ年とし、理事選挙開票後の通常総会までとする。ただし理事の重任は2期までとし、重任理事は12名をこえてはならない。なお1年以内に任期中欠員が生じた場合は、理事会の承認を得て、次点者を理事に繰り上げ当選とすることができる。
第19条 理事会は理事を含む会員のうちから会長1名を選び、理事の中から、理事長1名、副理事長1名、常任理事2名以上を協議により決める。
第20条 会長は会を代表し、理事会の議長となり、議事を整理し、会務の一切を管理する。
第21条 理事長は会長を助け、会長が事故あるときはその職務を代行する。副理事長は理事長を助け、理事長が事故あるときはその職務を代行する。
第22条 理事会は毎月1回定例理事会を開き、必要な事項があるときは臨時理事会を開くことができる。
第23条 理事会は理事の過半数の出席がなければ成立しない。
議決は出席者の多数で決める。
第24条 理事会は会長が招集する。
第25条 この会に会の事務と会計を監査する監事2名をおく。監事は理事会が会員の中から選出し、任期は2ヵ年とする。また、H氏賞、現代詩人賞の存続と運営のために「詩集賞・公益信託代表」1名をおく。「詩集賞・公益信託代表」は各公益信託運営委員会の合意により推薦された者が当たり、これを理事会が承認する。
第26条 この会の目的達成のために必要に応じて各種の委員会をおくことができる。委員は会長が委嘱する。
第6章 総会
第27条 理事会は毎年1回8月に会員の通常総会を招集し次の事項を報告するものとする。ただし、( 1 ) ( 2 ) ( 3 ) についてはその承認を得なければならない。
( 1 ) 事業
( 2 ) 会計
( 3 ) 会則の変更
( 4 ) 会員の入退会
( 5 ) 役員の選出
( 6 ) 詩集賞選考委員の選出
第28条 総会は委任状を含めて会員数の3分の1以上の出席者がなければ成立しない。
第29条 議事は、委任状を含む総会出席者の過半数によって議決し、可否同数の場合は議長がこれを決める。
第30条 会員の3分の1以上の要求があった場合および理事会が必要と認めた場合は、理事会は臨時総会を招集する。
第31条 理事会は総会の議事を記録し、これを保管しなければならない。
第7章 会則の変更
第32条 会則の変更は総会で委任状を含む3分の2以上の同意を得なければならない。
役員選出細則
第1条 理事選出の方法は会則による。
第2条 理事の選挙は無記名による郵便投票とし、毎年8月の通常総会の前に行ない、会員は所定の投票用紙に被選挙人の氏名を記入し、所定の封書によってこの会の事務所に郵送する。理事会が委嘱する選挙管理委員会は投票締切日の後に開票を行ない、投票結果を総会に報告し、新理事を決定する。得票が同数の時は選挙管理委員会が抽選によって順序を決定する。新理事は会長・理事長・副理事長・常任理事および監事を1ヵ月以内に決定する。
第3条 監事2名の選出は会則による。
詩集賞選考委員会細則
第1条 この会に詩集賞を選考するための特別の委員会をおく。この委員会はこの会に属するが、選考についてはこの会から独立した自由な権限を持つ。但しこの委員会は選考の方法と基準についてはこの会の決める規定に従わなければならない。
第2条 詩集賞の選考委員の数は7名とし、理事会が公正を期して協議によってこれを決定し、会長が委嘱する。但し選考委員を兼ねる理事は3名以内とする。
第3条 委員の任期は1ヵ年とする。委員会の議長は互選による。
H氏賞選考基準
第1条この賞は新人のすぐれた詩集を広く社会に推奨することを目的とする。
第2条 対象となる詩集は前年の1月1日から12月31日の間に発行され、奥付にその期間中の発行年月日を日付として持つ詩集とする。
第3条 新人の詩集はすべてこの賞の受賞対象となり、その著者がこの会の会員であるか、非会員であるかを問わない。
第4条 選考は次の手続によるものとする。
( 1 ) 会員は最も適当とみとめる詩集を単記記名によって投票する。投票は所定の投票用紙を用いて郵送することとし、開票は理事会が委嘱した投票管理委員会立合の上、理事会の席において行なう。
( 2 ) 理事会は高点順に8詩集を選び、これを選考委員会に報告する。
( 3 ) 選考委員会は上の8詩集の外に適当な詩集があるとみとめた場合、多数決(投票)により3詩集以内を追加することができる。候補詩集は2月末までに決定し、理事会は候補詩集を各委員に回覧する。
( 4 ) 選考委員会は候補詩集のうちから選考によって該当する詩集を決定する。その方法は各委員が推薦する詩集についてそれぞれの理由を述べ、意見を開陳する。選考の過程で詩集の数を絞り、最後に残った少数詩集について再び各自の意見を述べる。意見が対立して決定がしがたいときは多数決によって決める。
第5条 選考経過は理事会がこれを記録し、その結果を公表する。
第6条 詩集賞の該当詩集がないときはその年度の授賞は中止する。
第7条 詩集賞授賞式は授賞決定後、可及的速かに行なう。
第8条 この賞の賞金・記念品代・選考委員会等の諸費用は、公益信託平澤貞二郎記念基金より提供を受けるものとする。
現代詩人賞選考基準
第1条 この賞は中堅以上の詩人のすぐれた詩集を広く社会に推奨することを目的とする。
第2条 対象となる詩集は前年の1月1日から12月31日の間に発行され、奥付にその期間中の発行年月日を日付として持つ詩集とする。但し全詩集、選詩集の類は対象としない。
第3条 中堅以上の詩人の詩集はすべてこの賞の受賞対象となり、その著者がこの会の会員であるか、非会員であるかを問わない。
第4条 選考は次の手続によるものとする。
( 1 ) 選考委員会は、詩集賞選考委員会細則に定めるとおりであるが、この委員の中に非会員を含むこともある。
( 2 ) 会員は最も適当とみとめる詩集を単記記名によって投票する。投票は所定の投票用紙を用いて郵送することとし、開票は理事会が委嘱した投票管理委員会立合の上、理事会の席において行なう。
( 3 ) 理事会は高点順に8詩集を選び、これを選考委員会に報告する。
( 4 ) 選考委員会は上の8詩集の外に適当な詩集があるとみとめた場合、多数決(投票)により3詩集以内を追加することができる。候補詩集は2月末までに決定し、理事会は候補詩集を各委員に回覧する。
( 5 ) 選考委員会は候補詩集のうちから選考によって該当する詩集を決定する。その方法は各委員が推薦する詩集についてそれぞれの理由を述べ、意見を開陳する。選考の過程で詩集の数を絞り、最後に残った少数詩集について再び各自の意見を述べる。意見が対立して決定がしがたいときは多数決によって決める。
第5条 選考経過は理事会がこれを記録し、その結果を公表する。
第6条 詩集賞の該当詩集がないときはその年度の授賞は中止する。
第7条 詩集賞授賞式は授賞決定後、可及的速かに行なう。
第8条 この賞の賞金・記念品代・選考委員会等の諸費用は、公益信託現代詩人賞澤野起美子基金より提供を受けるものとする。
会費・入会金納入細則
第1条 会費はこの会の会計年度の開始期にあたる月に納入する。
第2条 会費は分納することができる。
第3条 新入会員は入会と同時に入会金と会費を納入するものとする。
第4条 会員が傷病のため療養半年以上にわたる場合は、申し出により理事会の承認をえて会費を一定期間免除することがある。会員が70歳以上の高齢に達し収入のない場合は、申し出により理事会の承認をえて会費を免除する。
第5条 会員が3年以上にわたり督促にもかかわらず会費を納入しない場合は、総会の承認を経て、退会したものと見なす。
見舞金等細則
第1条 会員の傷病、死亡等の場合は見舞金、弔慰金を理事会の協議によっておくる。
付 則
( 1 ) 本会則は昭和35年1月16日から効力を発生するものとし、本会則による理事は1月15日現在の現代詩人会幹事がこれに当る。
( 2 ) 昭和35年1月1日から6月30日までの会費は500円とする。
( 3 ) 昭和36年6月25日改定の会則は昭和36年6月26日から効力を発生するものとする。
( 4 ) 昭和37年6月30日改定の会則は昭和37年8月1日から効力を発生するものとする。なお、昭和37年7月はこの年に限り昭和36年度理事会が運営にあたるものとする。
( 5 ) 昭和39年7月26日会則改定。
( 6 ) 昭和40年7月25日会則改定。
( 7 ) 昭和43年7月25日会則改定。
( 8 ) 昭和44年7月23日会則改定。
( 9 ) 昭和45年7月25日会則改定。
(10) 昭和46年7月24日会則改定。
(11) 昭和48年7月28日会則改定。
(12) 昭和49年7月27日会則改定。
(13) 昭和52年7月23日会則改定。
(14) 昭和55年7月26日会則改定。
(15) 昭和57年7月25日会則改定。
(16) 昭和58年7月30日会則改定。
(17) 昭和59年7月29日会則改定。
(18) 昭和60年8月24日会則改定。
(19) 昭和61年8月30日会則改定。
(20) 昭和63 年8月13日会則改定。
(21) 平成2年8月18日会則改定。
(22) 平成4年8月29日会則改定。
(23) 平成5年8月21日会則改定。
(24) 平成8年8月31日会則改定。
(25) 平成9年8月23日会則改定。
(26) 平成11年8月28日会則改定。
(27) 平成14年8月24日会則改定。
(28) 平成15年8月23日会則改定。
(29) 平成16年8月21日会則改定。
*詩集賞賞金および賞品H氏賞・賞金50万円および記念品(昭和60年度より・平成8年度表記改訂)
現代詩人賞・賞金50万円および記念品(昭和60年度より)
〔公益信託とH氏賞・現代詩人賞〕
公益信託とは、個人や法人が一定の公益目的のために財産の管理・運用を他人に依頼する制度で、日本では昭和52年に設定された。日本現代詩人会では、平澤貞二郎氏の提言を受け、新川和江会長、鎗田清太郎理事長が、草野心平、井上靖両氏の協力のもとに奔走し、軌道に乗せた。
〔公益信託平澤貞二郎記念基金〕
(発足)昭和60年4月9日文部大臣の許可を受く。(設定趣意)平澤貞二郎が「H氏賞の永久に存続することを念願し、併せて現代詩の振興・普及に資せんことを切望して」基金を設定。資金は全額、平澤貞二郎が私財を提供。
(事業)現代詩の優秀新人作品に対するH氏賞の授与。
(代表者)この基金の代表者は「信託管理人」といい、初代は草野心平、二代を伊藤信吉、三代を鎗田清太郎、現在は菊田守。
(運営委員)基金の適正な運営を図るため運営委員が置かれている。現在の運営委員は次の通り。
新川和江 以倉紘平 一色真理 伊藤桂一 郷原宏 山田隆昭 平澤照雄
(委員名は文部科学大臣に届け出てある。)
運営委員長は発足当初より現在まで新川和江。運営委員会は委員長を議長とし、毎年少くとも一回、議題を定めて開催し、その都度議事録を作成、議長及び出席者の代表2名が押印の上保存する。
(報告)文部科学大臣宛に毎年次の書類を提出。事業計画書 収支予算書 事業報告書 処務概要報告書 決算報告書 収支決算書 財産目録 信託元本増減表
(事務所)〒150-0046東京都渋谷区松濤2-20-4 協栄ビル内 平澤照雄
(受託者)三菱UFJ信託銀行
《平澤貞二郎略歴》
明治37年1月5日福井県三国町生まれ。大正10年東京市立商業学校卒。昭和3年詩集『街の小民』刊。昭和16年三国商事㈱設立社長就任。昭和22年協栄産業㈱設立社長就任。爾後会長、相談役、等を経て平成3年8月20日逝去。享年87歳。
〔公益信託現代詩人賞澤野起美子基金〕
(発足)昭和60年4月30日文部大臣許可。
(設定趣意)着実に詩業を積み詩界にも大きく貢献し得る中堅詩人を顕彰するため澤野起美子の私財提供により、昭和58年に「現代詩人賞」が設定された。この賞の永久に存続することを願って、基金を設定した。
(事業)現代詩分野における中堅以上の詩人の優れた詩集の顕彰。
(代表者)〈信託管理人〉初代は井上靖。同氏逝去のため伊藤桂一に代る。
(運営委員)
新川和江 以倉紘平 一色真理 菊田守 山田隆昭 郷原宏
運営委員長は発足当初より現在まで新川和江。運営委員会は委員長を議長とし、毎年少なくとも一回、議題を定めて開催し、その都度議事録を作成。議長及び出席者の代表2名が押印の上保存する。
(報告)平澤基金に同じ。
(事務所)〒158-0095東京都世田谷区瀬田5-9-3 新川和江方
(受託者)三菱UFJ信託銀行
《澤野起美子略歴》
明治29年1月20日岩手県東和町生まれ。旧姓菊池。大正5年岩手師範卒。同年澤野氏と結婚一女を儲く。昭和40年後半より村野四郎に師事。詩集『花の城』(昭42)『モヂリアニの管』(昭43)『冬の桜』(昭47・土井晩翠賞受賞)昭和63年4月4日没。享年92歳。澤野基金は昭和57年に1千万円、昭和59年に2千万円を出資、公益信託を設定。
*付記 平澤基金は2千5百万円を寄託。H氏賞・現代詩人賞ともに日本現代詩人会が選考を代行し、授賞式は毎年の「日本の詩祭」で行なう。なお公益信託関係の雑務も日本現代詩人会の責任において処理している。
〔桃谷容子記念基金規定〕
桃谷容子氏の遺志〈現代詩の振興に寄与したい〉によりその遺産の一部を贈与され、保管・運用の全権を一任された信託管理者との合意により、本会は桃谷容子記念基金を設け、下記のように運用する。
( 1 ) 「現代詩人賞」の顕彰(これは別に定める「公益信託現代詩人賞澤野起美子基金」規定による)と、会則第3章(事業)第10条の⑽「現代詩の発展に寄与した詩人の顕彰」(先達詩人の顕彰)の条項の実施・運営の資金に充当する。
( 2 ) その内容明細は、顕彰詩人への顕彰金、記念品、顕彰状、その他必要な費用とする。
( 3 ) 「現代詩人賞」「先達詩人」の顕彰状等に「桃谷容子基金」の名称を明記する。
( 4 ) 本基金は信託管理者が保管し、本会の請求により支払われる。
( 5 ) 本基金についての本会関連事項の合議・決定・実施はすべて理事会において行う。
《桃谷容子略歴》
1947年11月15日大阪市生 帝塚山学院大学卒 同大学仏文学研究生を経て詩誌「アリゼ」同人 73年より75年までポーランド在住 2002年9月19日腹膜ガンで死去。詩集『黄金の秋』(詩学社88年・第3回福田正夫賞)『カラマーゾフの樹』(編集工房ノア94年・第2回神戸ナビール文学賞)遺稿詩集『野火は神に向って燃える』(同03年9月19日)。
*付記「桃谷容子基金」3000万円を日本現代詩人会に寄託され、うち2500万円は2006年8月に、「公益信託現代詩人賞澤野起美子基金」に増資・合併されました。