2021年第5回HP現代詩投稿欄「新人賞」「新人」発表
「新人賞」岡崎よしゆき
「新 人」東浜実乃梨、小川博輝、松尾如華
日本現代詩人会ホームページ第5回現代詩投稿欄の年間「新人賞」「新人」が、2021年3月21日に開催された選考会で決定しました。選考委員は、松尾真由美(選考委員長)、柴田三吉、浜田優の各氏。投稿作品は、第16期(2020年1~3月)355篇、第17期(4~6月)438篇、第18期(7~9月)405篇、第19期(10~12月)447篇、計1645篇で増加しています。各期の入選、佳作を選び、発表し、入選者を対象に年間の受賞者を決めました。表彰式はコロナ禍で中止となり、新人賞に賞状と図書カード一万円分、新人に賞状と図書カード五千円分を郵送により贈呈しました。受賞者の略歴と受賞の言葉をご紹介します。
【新人賞・岡崎よしゆき】
岡崎よしゆき(おかざき・よしゆき)
1960年7月26日生まれ。高知県四万十市在住。
昔から、みずということばやイメージが好きで、海や川を背景にした詩を書くことが多いのですが、みずとよく似て、ことばも手のひらから掬い上げることが難しいような気がしてなりません。10代のころから、時折思い出したように詩を書いてみたりしていましたが、ことばを掬いとる仕方がよくわからずに、長続きすることがありませんでした。
今回、一年に渡って詩を書くことができたのは、ご講評いただくことでその仕方(自分の表現のよいところやわるいところ)を感じることができたからだと思い、選者のご三人方には本当に感謝しております。さらには、新人賞に選んでいただいて、私自身にとって大きな転機になる一年となりました。人生の折り返し地点をとっくに超えた60才の新人ですが、ことばに向き合う気持ちの水脈を涸らすことなく、すこしでも多くの作品を生み出すことができるように頑張っていきたいと決意しております。
本当にありがとうございました。
【新人・東浜実乃梨】
東浜実乃梨(ありはま・みのり)
1969年6月6日生まれ。沖縄県
浦添市在住。
生まらしみそーれ(うまれてきてください)。陶工が窯入れの際に祈るこのことばが、わたしを詩へと導きました。諧謔に寄る俗語ばかりの詩に評をくださった選者の方々、投稿欄を運営なさる方々に、こころより感謝申し上げます。幼さゆえに無理解だった島の文化を学びなおしながら、書いていきます。
【新人・小川博輝】
小川博輝(おがわ・ひろき)
1999年生まれ。高知県在住。
カルヴィーノ「すなわち地獄のただ中にあってなおだれが、また何が地獄ではないか努めて見分けられるようになり、それを永続させ、それに拡がりを与えることができるようになることでございます」。
【新人・松尾如華】
松尾如華(まつお・ことは)
1978年2月19日生まれ。広島県
広島市在住
一年間、選者の先生方より詩評をいただく機会に恵まれましたことに深く感謝しております。詩の温かさを知った少女時代より、ふたたび詩の響き渡る場所に導かれながら、ことばなきことばたちに心澄ませて、静寂の世界から人と人とを繋ぐ詩をこれからも紡いでゆきたいと願っております。