2021年第5回現代詩投稿欄新人賞・新人発表!
(2021年3月21日選考委員会開催・決定)
【新人賞】 岡崎よしゆき
【新人】 東浜実乃梨 小川博輝 松尾如華
選考委員長 松尾真由美
選考委員 柴田三吉 浜田優
(2021年の表彰式はコロナ禍のため中止となります。
第4回受賞者の方々とともに、表彰状と新人賞図書券1万円分、
2021年日本現代詩人会第5回HP投稿欄新人賞・新人選考会報告
松尾真由美(選考委員長)
2021年日本現代詩人会投稿欄新人賞・新人選考会は、3月21日(日)午後二時から行われました。コロナ禍のため、前年度と同じように電子メール上での選考会となり、選考会参加者は柴田三吉・浜田優・松尾真由美と事務局・佐川亜紀担当理事。
対象は2020.1.1から12.31までの投稿総数1645(第16期~第19期)作品です。初めに互選により松尾が委員長に選出され、選考会を開始いたしました。また、光冨幾耶HP運営委員が作成した各期の入選作の一覧表を見せていただき、各選考委員が新人賞一人、新人二人を事前に選び、コメントを付したものを共有する形で選考を進めましたが、作品ではなく作者に与えられる賞(新人も同様)として、新人賞は選考委員三人ともに岡崎よしゆきさんを推薦、全員一致でしたので岡崎よしゆきさんの新人賞受賞はすぐに決まりました。新人候補は東浜美乃梨さん、小川博輝さん、松尾如華さん、重成邦広さん、加勢健一さんの名前があがりましたが、雪柳あうこさんと加勢健一さんは他の受賞歴があるということで今回は外させていただきました。そして、東浜さん、小川さん、松尾さん、重成さんの4人の中から3人を再び選考委員が投票、新人は東浜美乃梨さん、小川博輝さん、松尾如華さんに決定いたしました。
今回の選考は比較的スムーズに行えたと思います。選ばれた方たちは1年を通してコンスタントに無視できない詩作品を提示してくれていましたので、選考委員の評価もそれほど違いは見られなかった。逆にいえば、一作品だけ飛び抜けていいものができたとしても、賞にはいたらないという厳しさもあります。1期で何百という詩作品を選考委員は読むわけですが、印象に残った作品は忘れません。けれど、次がだめなら仕方ないとも思われます。1年4期を耐えられる内実が詩に必要となります。第5回新人賞受賞の岡崎よしゆきさんは入選回数が7回と群を抜いていて、景色に溶けいる抒情とその奥の主体の蠢きが一体となって詩の広がりを見せるところなど、どの作品も安定感を見せていました。新人の東浜さんは粗削りな部分も垣間見えますが、沖縄の文化を軸に作品を展開しているところに魅力があります。この魅力は沖縄(詩の磁場)への愛の大らかさにあると思えます。小川さんは修辞に頼りすぎているきらいがあるとはいえ、冒険を持ちこんでいても各作品は読めるものになっていて、実験性に挑む若さも新人にふさわしいと考えました。松尾さんは余分なものを入れずに対象に寄り添うことで、やさしさや素直さを読者が感受できる。好感が持てる詩風となっています。今回受賞を逃した方々は諦めないで投稿を続けてほしいと願っております。継続は力です。