この会は日本の詩人の権益を団体的に守り、現代詩の普及発展のために協力し、国際的活動を推進し、詩人相互の親睦をはかることを目的としています。
郷原宏会長
公益信託代表
以倉紘平
第74回H氏賞
尾久守侑
第42回現代詩人賞
粕谷栄市
投稿数676作、投稿者370人。多くの方にご投稿いただきありがとうございました。詩投稿欄第35期(10-12月)の選評および入選作をご紹介いたします。
またトップページに入選作を何回かに分けて、縦書き表示にて順次公開していきます。
- 【わたしたちはロシア・プーチン大統領に起因する不条理に反対し、ウクライナの人々の安全と平和を 強く望んでいます。──日本現代詩人会HP運営委員会】
- 【速報】第75回H氏賞、第43回現代詩人賞の候補詩集が下記のように決定しました。(2025.02.01)
- 【ご案内】3月15日(土)《日本現代詩人会ゼミナール2025 in 神戸》の開催。 (2024/12.11)
- 【子どもへの詩の普及】「清流の国ぎふ文化祭2024 詩コンクール」(2024/12/15)
- 【お願い】連絡がとれない会員がいらっしゃいます。何かご存知の方はご連絡願います。 (2024/11.28)
- 【日本現代詩人会全会員名一覧】
【速報】第75回H氏賞候補詩集が決定
2025年2月1日午前11時より、開票
のための理事会が開かれた。投票管理委員
の柊月めぐみ氏、生駒正朗氏の立会いのも
と、会員からの投票が開封され、集計され
た。その結果、第75回H氏賞候補投票は次
の結果となった。投票率は、30・0%だっ
た。 (第43回現代詩⼈賞は下段)
①林美佐子『ピコピコハンマー』 11票
②草間小鳥子『ハルシネーション』 10票
③雪柳あうこ『骨を撒く海にて、草々』
8票
④宮田直哉『ある風景』(書肆子午線)
7票
④角 朋美『透明な遠くへ』 7票
④市川恵子『世界にあるもの』 7票
⑦佐野亜利亜『女子の掟、もしくは』6票
⑦橘しのぶ『水栽培の猫』 6票
⑦丸田麻保子『カフカを読みながら』6票
(敬称略)
以上の9詩集を理事会として決定。同日
午後4時より開かれた第75回H氏賞選考委
員会に申し送りされた。
H氏賞第1次選考委員会ではこれらに加
えて、次の3詩集を推薦詩集とした。
漆原正雄『風を訪うまで』
山内優花『きせつきせつ』
寺道亮信『乳既』
(敬称略)
結果、12冊の詩集が第75回H氏賞候補詩
集として決定した。3月1日の第2次選考
委員会で受賞詩集が選出される。
■第75回H詩賞選考委員(敬称略)
相沢正一郎、小笠原眞、篠崎勝己、
田中裕子、根本明(委員長)、
山中真知子、野村喜和夫(理事)
2025年2月1日午前11時より、開票
のための理事会が開かれた。投票管理委員
の柊月めぐみ氏、生駒正朗氏の立会いのも
と、会員からの投票が開封され、集計され
た。その結果、第43回現代詩人賞候補投票
は次の結果となった。投票率は、30・0%
だった。(第75回H氏賞は上段)
①佐川亜紀『その言葉はゴーヤのように』
23票
②田村雅之『魂匣』 11票
②春木節子『行方しらず』 11票
④たかとう匡子『ねじれた空を背負って』
10票
⑤河野俊一『ストーマの朝』 9票
⑥吉田義昭『海と重力』 8票
⑦岩木誠一郎『声の影』 7票
⑦冨岡悦子『斐伊川相聞』 7票
⑦瀬野とし『まわれまわれ』 7票
(敬称略)
以上の9詩集を理事会として決定。同日
午後4時より開かれた第43回現代詩人賞選
考委員会に申し送りされた。
現代詩人賞第1次選考委員会ではこれら
に加えて、次の3詩集を推薦詩集とした。
秋山基夫『花下一睡』
篠﨑勝己『死ねない魂のための音楽』
眞神 博『精神の配達』
(敬称略)
結果、12冊の詩集が第43回現代詩人賞候
補詩集として決定した。3月1日の第2次
選考委員会で受賞詩集が選出される。
■第43回現代詩人賞選考委員(敬称略)
海埜今日子、加藤廣行、北川朱実、
瀬崎祐(委員長)、浜江順子、
北條裕子、浜田優(理事)
2024年11月21日の第4回理事会におい
て、第75回H氏賞、第43回現代詩人賞の選考
委員が決定しました。
両賞とも、2025年2月1日の第1次選
考委員会で候補詩集が推挙され、3月1日の
第2次選考委員会で受賞詩集を決定します。
■第75回H詩賞選考委員(敬称略)
相沢正一郎、小笠原眞、篠崎勝己、
田中裕子、根本明、山中真知子、
野村喜和夫(理事)
■第43回現代詩人賞選考委員(敬称略)
海埜今日子、加藤廣行、北川朱実、瀬崎祐
浜江順子、北條裕子、浜田優(理事)
■投票管理委員(敬称略)
柊月めぐみ、生駒正朗
◆開票理事会(開票および集計)
2025年2月1日(土) 11時~15時
◆第1次選考委員会(候補詩集の決定)
2025年2月1日(土) 16時~18時
◆第2次選考委員会(受賞詩集の決定)
2025年3月1日(土) 13時~17時
日本の詩祭2024第Ⅰ部 贈呈式・先達詩人の顕彰・詩朗読
「詩投稿 第35期」入選作品紹介Topページに入選作を順次公開します。
水町文美「模写」
僅かに欠けてしまった
小さな部品は
小さな欠陥を生み出しながら
傍目からはいつもと変わらぬ運行を続けている
細く開いた隙間は
足を踏み外すまでではないにしろ
僅かに浮わついて
内臓を揺らす
それは聞き取れない語尾であったり
場にそぐわない剥き出しの笑いであったり
ちょっとした目眩であったりもするのだが
何しろ鈍感な連中には
気付かれないものであるので
ひとり意識を
意識の尻尾を
細い迷路に迷わせて
居心地が悪い
帰り道は分かっている
けれども家は
知らない人がなぞったような
太くて妙な輪郭をしている
むきむきあかちゃん「私がネアンデールタール人であったなら」
もし私がネアンデルタール人であったなら
大きな産声をあげて生まれただろう
誰かが焚いた火花が散っていただろう
寒空の下 母が私に微笑んだだろう
もし私がネアンデルタール人であったなら
風の声を聞いただろう
風の声に応えただろう
でもいつか風は 大きくなった私に
何も教えてくれなくなるだろう
もし私がネアンデルタール人であったなら
恋をしただろう
相手はクロマニョン人かもしれない
けどきっと振られたのだろう
泣いているのだろう
もし私がネアンデルタール人であったなら
何も成さないのだろう
何も成さぬまま 誰かが死ぬだろう
誰かが死んだということ
私が死ぬということの
意味を考えて夜を明かすだろう
もし私がネアンデルタール人であったなら
やがてとしを取るだろう
昔より少し暖かくなったようだ
暖かいと眠くなってきて
何も成せなかったことを思いながら
首のしこりを思い出しながら
それでも何故か満ち足りたような気分で
青空を眺めながら
死んだのだろう
佐田征優「原型詩の試み1:風について」
男、冷える日の午後に自転車を漕いでいると、肌をかすめて風が向こうへとゆきすぎた。風を受けると、男の精確な大脳辺縁系の機能により、ヨハネ伝三章六節のフレーズが起動した。
「風は自分の好むところに吹く。
あなたはその声を聞いても、
それが何処から来て何処へゆくかを知らない。
すべて霊から生れたものはこのようである。」
男は七日前から、根本的には遥かに前から、近代的人類に普遍的なむなしさに心を浸していたが、風を受けて、ヨハネ伝三章六節を口に漏らして、それは瞬きを待つ間もなく寛解した。風は自分の好むところに吹く、そのことを感覚してしまった男はもはや男ではなく、詩人であった。己を拘禁する肉体の独房はもはや男の関与するところではなく、男は男の好むところに吹くことができた。風であった。詩であった。こうして男は詩人になった。
脚のひとふみごとに車輪は回る、ママチャリは直進するが、車輪は同じところをぐるぐると回る。クロートー、ラケシス、アトロポス、三人の女が紡ぎ車を回している、そうして運命の糸を紡いでいく、男は自転車を漕いでいる、回る、回る、ぐるぐる回る。時間は回り、環をなして、男の車輪は詩を紡ぐ。
西暦三〇年のエルサレムの臆病なユダヤ人議員の肌をかすめた風が今、二千年の時を挟んで詩人の頬をかすめる。詩人は夕の風のなかをママチャリで走った。ママチャリのまっすぐな時間とその車輪のめくるめく時間が同居して、世界は推進する。宇宙はふくらむ。二〇二三年、谷川俊太郎が「二十億光年の孤独」を上梓してから七十一年が経過していた。

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