日本現代詩人会とは

この会は日本の詩人の権益を団体的に守り、現代詩の普及発展のために協力し、国際的活動を推進し、詩人相互の親睦をはかることを目的としています。


  • 八木幹夫会長

  • 公益信託代表
    以倉紘平

  • 第72回H氏賞
    うるしやま千尋

  • 第40回現代詩人賞
    倉橋健一

詩投稿結果発表

投稿数444作、投稿者242人。多くの方にご投稿いただきありがとうございました。詩投稿第25期(4-6月)の選評および入選作をご紹介いたします。
またトップページに入選作を何回かに分けて、縦書き表示にて順次公開していきます。

詩投稿

H氏賞受賞者や日本現代詩人会の会員たちが入選作を選び選評いたします。

1期一人3篇までの投稿で、3ヶ月毎に選考し、入選作を選評とともに公開します。

第24期~27期選者(2022.1~2022.12)
・山田隆昭氏

・塚本敏雄氏
・草間小鳥子氏

詳しくは投稿規定をご参照ください。皆様のご投稿をお待ちします。

  • 【わたしたちはロシア・プーチン大統領に起因する不条理に反対し、ウクライナの人々の安全と平和を   強く望んでいます。──日本現代詩人会HP運営委員会】
  • 【会員への連絡】 「2022年度日本現代詩人会総会」は8月27日、アルカディア市ヶ谷において終了いた
     しました。提出議案はすべて承認されました。会員各位のご協力ありがとうございました。
  • 【子どもへの詩の普及】『詩ってむずい? 滋賀大学詩作ワークショップ☆詩人と一緒に詩を書こう』の
     ご紹介
  • 【告知】H氏賞・うるし山千尋詩集、現代詩人賞・倉橋健一詩集に決定!
  • HP現代詩投稿欄 第25期選考結果・選評を発表しました。
  • 2022年第6回現代詩投稿欄新人賞・新人発表!
    【新人賞】浅浦 藻【新人】岡 堯、佐名田纓、シーレ 布施

■第72回H氏賞、第40回現代詩人賞の決定
2022年3月5日第2次選委員会により次の通り受賞詩集が決定しました。

◆第72回H氏賞決定
●受賞詩集『ライトゲージ』(七月堂)
●受賞者 うるし山千尋(うるしやま ちひろ)
●受賞者プロフィール 1976年9月12日生。
鹿児島県出身。宮崎大学卒。
「半笑いの騎士たち」他十四編で南日本文学賞(2007年)
「ライトゲージ」他十四編で南日本文学賞(2021年)。
詩集『猫を拾えば』(ジャプラン 2012年)
『時間になりたい』(ジャプラン2016年)。
【第72回H氏賞選考委員】
◎古屋久昭(選考委員長)、石下典子、
伊武トーマ、清岳こう、草野早苗、
土屋智宏、冨岡悦子
【第72回H氏賞候補詩集】
〈会員投票候補詩集〉
①松井ひろか『十六歳、未明の接岸』
(七月堂)20票
②浦歌無子『光る背骨』(七月堂)10票
③桑田 窓『52時70分まで待って』
(思潮社)8票
③雪柳あうこ『追伸、この先の地平より』
(土曜美術社出版販売)8票
⑤篠崎フクシ『ビューグルがなる』
(土曜美術社出版販売)7票
⑥長嶺幸子『Aサインバー』(詩遊社)5票
〈選考委員会推薦詩集〉
うるし山千尋『ライトゲージ』(七月堂)
小林坩堝『小松川叙景』(共和国)
村岡由梨『眠れる花』(書肆山田)
★「日本の詩祭2022」(2022年5月29日アルカディア市ヶ谷)にて授賞式を予定しています。


◆第40回現代詩人賞決定
●受賞詩集『無限抱擁』(思潮社)
●受賞者 倉橋健一
●受賞者プロフィール 1934年8月1日生。
京都市出身 大阪府立吹田高等学校卒。
詩誌「山河」「白鯨」「火手」を経て、現在「イリプス」同人。
詩集に『寒い朝』『化身』『失せる故郷』他。
詩論『深層の抒情―宮澤賢治と中原中也』、『詩が円熟するとき―詩的60年代還流』。
評伝『辻潤への愛―小島キヨの生涯』他。

【第40回現代詩人賞選考委員】
◎秋山公哉(選考委員長)、新井高子、
伊藤芳博、小林稔、鈴木ユリイカ、
高良勉、中島悦子

【第40回現代詩人賞候補詩集】
〈会員投票候補詩集〉
①新延拳『経験の定義あるいは指の痛み』
(書肆山田)15票
②川中子義勝『ふたつの世界』(土曜美術社出版販売)14票
②草野信子『持ちもの』(ジャンクション・ハーベスト)14票
④秋亜綺羅『十二歳の少年は十七歳になった』(思潮社)12票
④清岳こう『雲また雲』(思潮社)12票
⑥中上哲夫『川の名前、その他の詩篇2011~2021』(花梨社)9票
⑦和田まさ子『よろこびの日』(思潮社)7票
⑧倉橋健一『無限抱擁』(思潮社)6票
⑧下川敬明『暗黒と純白の讃歌』(待望社)6票
⑧田村雅之『瑞鳥』(砂子屋書房)6票

〈選考委員会推薦詩集〉
管啓次郎『PARADISE TEMPLE』(Tombac)
田中庸介『ぴんくの砂袋』(思潮社)
日原正彦『はなやかな追伸』(ふたば工房)

★「日本の詩祭2022」(2022年5月29日アルカディア市ヶ谷)にて授賞式を予定しています。




日本の詩祭2022・あいさつ・贈呈式(前半)

「詩投稿 第25期」入選作品紹介
Topページに入選作を順次公開します。

守屋秋冬「赤い自転車」

 

赤い自転車が
家の前に
置かれている
名前を見ると
わたしの旧姓が
ひらがなで書いてあり
癖のある父の筆跡だと思ったら
ふいに風が吹いて
赤い自転車は消えた

 

ママ、早くしないと遅れるよ
息子の声がするけど
姿が見えない

 

喪服で玄関を出たはずなのに
わたしが
赤い自転車に乗って
ゆらゆらするのを
父が支えてくれる
姿は見えないけど
間違いなく存在する
ふいに風が吹いて
息子の姿が現われる

 

父の通夜に
わたしは向かうのだ

昨日、病院で看取ったはずなのに
父はずるい

 

死んだら
自由に
移動できるのか
夢だけでなく
現にも
時間を超えて
姿を匂わせる

 

買ったばかりの
赤い自転車に
父とわたしの思い出が
詰まっている

 

ゆらゆらと揺れるわたし
手を離すぞ
どっしりとした父の声

 

あの瞬間から
わたしは
一人で生きているつもりになったが
ずっと
見守られていたのだ

 

ママ、どうしたの?
息子に手を握られて
自分が泣いていることに
気づいた


 

柳坪幸佳「海に近かった場所」

 

土曜日のうすい路地には
はがれた季節が
ひとつかみほど散らばっている
海に近かった場所だから
家々は、ずいぶん長く船の廃材でつくられたと言う
軒先をくぐるように歩いていけば
少しばかりたわんだ日差しと
木目にかさねて
魚のまなこが切りひらかれる
わたしをゆっくり見下ろしてゆく

 

かつて、海はこの目の高さのところまであり
かつてはわたしも誘われていた
その頃であれば
ゆらゆらと、潮に乗り
たどることができたかと思う
この場所の風は
いつも沖をなだらかにふくみ
たいせつなものをさがせるのだから
それは例えば、ずいぶんと長く生き延びた井戸
それからついに消えてしまった駄菓子屋と
打ち捨てられた、庇の暗がり

 

なにもかもが、とうの昔に埋め立てられて
板切れたちは少しずつ
生まれたときの
木肌のにおいにもどりかけている
海のむこうを歩きたいのに
鳥たちは今日も
行くべき場所がわからなかった
ふるいさざめき
耳のなかで
貝殻と骨が擦れ合っている

日本現代詩人会刊行本


  • 日本現代詩人会/七〇周年記念アンソロジー

  • 国際交流ゼミナール

  • 現代詩2022

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