詩投稿結果発表

投稿数366作、投稿者284人。多くの方にご投稿いただきありがとうございました。詩投稿第12期(1-3月)の選評および入選作をご紹介いたします。

詩投稿

H氏賞受賞者や日本現代詩人会の会員たちが入選作を選び選評いたします。

1期一人3篇までの投稿で、3ヶ月毎に選考し、入選作を選評とともに公開します。

第13期選者~15期(2019.4~2019.12)
・廿楽順治氏

廿楽順治氏
・伊藤浩子氏
伊藤浩子氏
・光冨郁埜氏
光冨郁埜氏

詳しくは投稿規定をご参照ください。皆様のご投稿をお待ちします。

日本現代詩人会とは

この会は日本の詩人の権益を団体的に守り、現代詩の普及発展のために協力し、国際的活動を推進し、詩人相互の親睦をはかることを目的としています。

日本の詩祭2018・詩集賞の朗読

「詩投稿 第12期」入選作品紹介
Topページに入選作を公開します。

宮永 蕗――帰宅

 

空のふちがワイン色に染まるころ 
遠く海ぎわの松林の上に
何羽ものトビが
ひしゃげた輪を
もやり、もやり、描きあうから
空がゼリーのような
粘度を持ったことを知る
夜が垂れて来ないうちに
急ぎ足で帰る

 

ランドセルから取り出して
鍵を回して入る家の中には
薄闇が沈殿していて
ため息で舞い上げないうちに
すばやく電気をつける
朝の慌ただしさそのままに
椅子の背にかけられたエプロンや
投げ出された新聞が
空白を語りだす前に
リモコンを拾って
テレビをつける
大丈夫
まもなく姉が帰宅し
母の車の音も聞こえ
そのうちに、父も帰ってくるだろう
満ちてゆく、闇夜に浮かぶ方舟のように
家は明るさを増してゆく

鎌田尚美――銀歯

 

月の光が樹海に射し込むと、銀歯は自分の宿主だった男の白 
骨のまわりを動きはじめる。右手の人差し指の煙草の匂いが
染みついた肉はとっくに腐って無いが、銀歯は男の指骨にあ
いさつをする。
男は起床すると一服するのが習慣だった。

 

今日、銀歯は左腓骨が無いのに気がついた。
山犬が持っていったのだ。

 

銀歯は男の姿をひととおり確認すると糸切り歯を探しにいく。
落葉のうえを転がってゆき、土の中に昨日より深く埋まって
しまった糸切り歯にはなしかける。

 

男が三十年都会で暮らしても消えない東北訛りを、同僚にか
らかわれるといつも銀歯をぐっと噛み締めたことや、好物の
はたはたが挟まったのを取ろうと、舌先で銀歯をなんどもな
んども擦ったのがとてもくすぐったかったことなどを。

 

男の口中に唾液があふれるのを思い出し、銀歯はシダの斜面
を下りてミズナラの根元の苔むらに冷やされにいく。

 

月が真上に上がるころ北風が吹いてきた。
風は男の小さな骨や髪の毛をどこかに飛ばしてしまうので、
銀歯は大嫌いだったが、近ごろは風がソヨゴの葉を鳴らして
男の骨を獣から護ってくれるのを知った。

 

今では風とソヨゴの奏でる音は、
男との婚礼の寿歌のようだ、と
銀歯は思う。

2019年・総会のお知らせ
■場所・時間
<総会>東京・アルカディア市ヶ谷 阿蘇西(6階)
日時:8月24日(土)13:30~16:00(合計2時間 30 分)
★13:30~14:00 講演 黒岩隆氏講演(30 分)「恋をすれば―─村上昭夫の詩篇より。」
★14:00~16:00 議事(2時間) <懇親会>東京・アルカディア市ヶ谷 霧島(6階)
★16:30~19:00 懇親会(2時間 30 分) ・第3回現代詩投稿欄新人賞の表彰式
会員の皆様のご参加をお待ちしています。
アルカディア市ヶ谷のHP

研究活動

詩界ニュース
詩界ニュース(2019年3月20日受まで)最終更新日 2019/5/25
催し・イベント
各地のイベントから(会報154号から)最終更新日 2019/5/25

日本現代詩人会刊行本


  • 資料・現代の詩2010

  • 国際交流ゼミナール

  • 2015現代詩

ページトップへ戻る