日本現代詩人会とは

この会は日本の詩人の権益を団体的に守り、現代詩の普及発展のために協力し、国際的活動を推進し、詩人相互の親睦をはかることを目的としています。


  • 八木幹夫会長

  • 公益信託代表
    以倉紘平

  • 第72回H氏賞
    うるしやま千尋

  • 第40回現代詩人賞
    倉橋健一

詩投稿結果発表

投稿数424作、投稿者219人。多くの方にご投稿いただきありがとうございました。詩投稿第27期(10-12月)の選評および入選作をご紹介いたします。
またトップページに入選作を何回かに分けて、縦書き表示にて順次公開していきます。

詩投稿

H氏賞受賞者や日本現代詩人会の会員たちが入選作を選び選評いたします。

1期一人3篇までの投稿で、3ヶ月毎に選考し、入選作を選評とともに公開します。

第28期~31期選者(2023.1~2023.12)
・北原千代

・根本正午
・渡辺めぐみ

詳しくは投稿規定をご参照ください。皆様のご投稿をお待ちします。

【速報】2022年11月17日の第4回理事会において、次のように決定しましたので、お知らせいたします。

 【2023年度に推挙する名誉会員(候補)】(敬称略)
故・新井豊美、 石川逸子、 木村迪夫
(2023年8月26日総会において承認決定)

【2023年度に顕彰する先達詩人】(敬称略)
郷原 宏
(2023年6月4日「日本の詩祭2023」において顕彰)

【第73回H氏賞選考委員】(敬称略。*は理事)
坂多瑩子、清野裕子、照井良平、*中田紀子、
広瀬大志、山本純子、若宮明彦

【第41回現代詩人賞選考委員】(敬称略。*は理事)
朝倉宏哉、伊藤悠子、斎藤恵子、高貝弘也、
*中井ひさ子、橋浦洋志、龍 秀美

【投票管理委員】(敬称略)
田井淑江(投票封筒受取先)、森 雪拾

【選考日程】(場所は早稲田奉仕園セミナーハウス)

 ◆第1次選考委員会
2023年2月4日(土) 16時~18時(予定)
候補詩集の決定
 ◆第2次選考委員会 
2023年3月4日(土) 13時~17時(予定)
受賞詩集の決定

■H氏賞、現代詩人賞の会員投票にぜひご協力ください。
◎会員投票の締め切りは、2023年1月30日(消印有効)。
≪問い合わせ先≫
詩集賞担当理事 宮崎 亨  

日本の詩祭2022・あいさつ・贈呈式(前半)

「詩投稿 第27期」入選作品紹介Topページに入選作を順次公開します。

遠野一彦「陰まつり」

澄んだ秋の空から
葬列がやってくるのです
水平線のむこうから
ながい ながい
葬列がやってくるのです

剥げた朱色もあざやかに
色とりどりの 笛や 太鼓や 花々と 
にぎやかな音楽隊をひきつれて
音もたてずに
やってくるのです

先頭から ぞろぞろと
物乞いや 蒼ざめたおんなや 足のない猫
頭の逆さについたおとこに くいついた鳩
みんな みんな 楽しそうに
踊りながら やってくるのです

今日も また
海沿いの廃墟の街では
風に崩れた石段にすわって
少年が ひとり
白ちゃけた三日月を 噛んでいます
涙がぽろぽろと こぼれるたびに
ノオトブックのうえで 三日月に変わるので
死ぬことができないのです

ああ ごめんなさい ぼく
おじいさんの言いつけ 守れませんでした
ガラス張りの別荘には 時がたぎるから
半開きの扉は閉めておけって
言われたのに
半開きの扉には 魔がのぞくって
言われたのに

晩夏の海水のプールに
ひっくりかえった空は
本当に 本当に
青かったのです
おあかさん 
とうとう あの空を見つけたのですか
おかあさん 
なにもかも あの空のせいなんです

いま 音楽は天高くのぼり
半開きの扉は
きらめきながら
秋の海面にむかって
浮上していきます

そして
一冊の 美しいノオトブックが
ゆらゆらと
海底に 沈んでゆくのです

永杉坂路「海」

海はわらっていた
あの子どもの夏の
いとこたちの海は。
寄せては返して追うわたしをからかいながら
貝がら拾いの子どもたちの足を
絶えずくすぐる
 おいでよ…おいでよ…
この光る波がしらに騙されて
光の差さない海底に沈んでいった子どもら
仲間を求めて足をくすぐる
 おいでよ…おいでよ…
わたしは海に目を吸いこまれながら
耳はまだ砂浜を探っている
レジャーシートを広げる家族
耳の奥の三半規管そして
うずまき管までもが海に奪われかけたとき
母の呼び声がつかんで離さなかった
母は二畳半の網膜をつかんで
わたしを根こそぎ海から遠ざけた
波には永遠に触れることのできないレジャーシート
そこに座るわたしは波間に立つわたしとは違う
もしかしたらもう手遅れなのかもしれない
と思ったりもする
心は光る波がしらにさらわれて
海の子どもたちと遊んでいる
 おいでよ…おいでよ…
ような気がする
まばたいていとこを見る
いとこは海に奪われている
昔生きていた貝(うずまき管にそっくり)
がめりこんだ浜に立ち尽くして
足を波間の子どもたちにくすぐらせながら
その目が耳が何をとらえているのか
わたしは知っているような気がする

あの夏の日に
わらっていた、海。

岩佐聡「ある秋の重力」

手紙に手紙を書きたくなる
秋に癒着する水の
この温度では
わたしから脱皮した皮膚はとけない
汽水にすむ二枚貝は
明け方の亡骸を咥えて肥るというのに
吐息がまだ散文とはほど遠い時間
自分の身体もこの土の
重力につづいているのだろうか
葉のこすれる音がしなければ
静けさがどこから来たのかとすら
おもうことはなかった

林道をあるいた記憶を栞にして
野鳥が力尽きている様子が
物語の二連目から
書き出されることを想像しながら
水溜まりを跳ねてよけるのに半歩おくれる
鉤括弧で括るでもなく
そっと秋の厚さの紙を
差し入れるだけの歩み
栞という字の
線対称の特別さ
この世界の
どこに完全な植物園があるというのか

ある夜
皿を洗うための水が
この世からはみ出そうとしていて
この水の重力をつかまえようとすると
幼いころの
突き指におもい至った
その痛みには
重力の友人達がふかく腰掛けていて
地上の祈りを多く含ませていたが
いつか村中の次女逹が
包帯に、はじめて触れるとその感触に
つく予定だった嘘の
つじつまを忘れてしまうから
字余りになりそうな
いくつかの理由だけ掬いとって
身体にしみこんだ秋を
遠近法のずっと奥の
消失するところへ埋めようとすると
ようやく痛みがやわらぐのです

何かの責任を放棄するみたいに
口のなかで溶けきらない飴玉を
つい噛み砕いてしまう幼さをふくませて
田んぼの用水路に長靴を履いたまま
足を差し入れるとその冷ややかさの分
他人の足になる
この季節のおだやかな水は
植物よりも鬱蒼として
つま先の爪を切ってくれようと
そっとわたしの足を
自分の腹の方へ引き寄せて
感じさせてくれた秋の夜の
子宮のあたたかさまでも流してしまう

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◆会員名一覧 あ―お最終更新日 2022/12/26
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