日本現代詩人会とは

この会は日本の詩人の権益を団体的に守り、現代詩の普及発展のために協力し、国際的活動を推進し、詩人相互の親睦をはかることを目的としています。


  • 郷原宏会長

  • 公益信託代表
    以倉紘平

  • 第74回H氏賞
    尾久守侑

  • 第42回現代詩人賞
    粕谷栄市

詩投稿結果発表

投稿数611作、投稿者325人。多くの方にご投稿いただきありがとうございました。詩投稿欄第34期(7-9月)の選評および入選作をご紹介いたします。
またトップページに入選作を何回かに分けて、縦書き表示にて順次公開していきます。

詩投稿

H氏賞受賞者や日本現代詩人会の会員たちが入選作を選び選評いたします。

1期一人3篇までの投稿で、3ヶ月毎に選考し、入選作を選評とともに公開します。

第32期~35期選者(2024.1~2024.12)
・うるし山千尋

・浜江順子
・雪柳あうこ

詳しくは投稿規定をご参照ください。皆様のご投稿をお待ちします。

【速報】
◆第74回H氏賞・第42回現代詩人賞決定のお知らせ

 2024年3月2日(土)午後1時から、東京都・早稲田奉仕園セミナーハウスにおいて、第2次選考委員会が開かれました。詩壇の芥川賞とも呼ばれるH氏賞と、中堅以上の詩人に贈られる現代詩人賞が決定いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。なお、授賞式は6月2日(日)私学会館アルカディア市ヶ谷にて開催される「日本の詩祭2024」にて挙行される予定となっております。何卒よろしくお願い申し上げます。

◆2024年度 第74回H氏賞(賞金50万円及び記念品)
●受賞詩集『Uncovered Therapy』(思潮社)
●受賞者(尾久守侑(おぎゅうかみゆ))
●受賞者プロフィール
1989年5月14日 東京都生まれ、東京都在住。
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了。
詩集 2019年『国境とJK』(思潮社)を上梓。その後、『ASAPさみしくないよ』『悪意Q47』(第9回エルスール財団新人賞受賞)。
詩集の他に、学術書として、『偽者論』(金原出版)、『器質か心因か』(中外医学社)他。

<第74回H氏賞選考委員> ◎上手宰(選考委員長)、富沢智、峯澤典子、中本道代、
池田順子、藤田晴央、青木由弥子(理事)

************************************

◆2024年度 第42回現代詩人賞(賞金50万円及び記念品)
●受賞詩集『楽園』(思潮社)
●受賞者(粕谷栄市)
●受賞者プロフィール
1934年11月9日 茨城県古河市生まれ。現在、茨城県古河市在住。89歳。
早大卒。「ロシナンテ」「地球」「鬼」「歴程」同人を経て、現在、「森羅」同人。
詩集『世界の構造』『悪霊』『化体』『転落』『鄙唄』『遠い川』。

<第42回現代詩人賞選考委員> ◎田村雅之(選考委員長)、岡野絵里子、廿楽順治、
                石田瑞穂、小林弘明、鈴木東海子、春木節子(理事)

【速報】H氏賞、現代詩人賞候補詩集決定

 2月3日11時より早稲田奉仕園(東京都新宿区)で開票理事会が、宮田直哉、福田恒昭各投票管理委員の立会いの下に開かれました。その結果、上位8位までの詩集を候補詩集として、16時より行われた各選考委員会に申し送りがなされました。
 また、H氏賞と現代詩人賞の選考委員会では、委員会推薦として各3冊の詩集が選ばれました。結果を以下に記します。

  ■第74回H氏賞候補詩集
佐峰 存『雲の名前』       22票
井嶋りゅう『影』         14票
小川三郎『忘れられるためのメソッド』
               6票
玄原冬子『福音』         6票
水嶋きょうこ『グラス・ランド』  6票
麻生秀顕『パルスと円環』     5票
深町秋乃『柔らかい水面』     5票
根橋麻利『川辺の響き』      4票
野口やよい『星月夜』       4票
山田リオ『ときのおわり』     4票
尾久守侑『Uncovered Therapy』
              委員会推薦
嘉陽安之『朝をつくる』   委員会推薦
藤本哲明『attoiumani_nizi』
              委員会推薦

■第42回現代詩人賞候補詩集
こたきこなみ『ひとがた彷徨』   13票
粕谷栄市『楽園』         11票
水島美津江『更地』        11票
麻生直子『アイアイ・コンテーラ』 10票
硲 杏子『残照・その後』     10票
松岡政則『ぢべたくちべた』    10票
上手 宰『二の舞』        8票
佐々木洋一『でんげん』      8票
白井知子『ヴォルガ残照』     8票
荒川洋治『真珠』      委員会推薦
岩佐なを『たんぽぽ』    委員会推薦
広瀬大志『毒猫』      委員会推薦

 以上です。3月2日㈯に、早稲田奉仕園で行われる第2次選考委員会において、受賞詩集が決定されます。

■第74回H氏賞選考委員
池田順子、上手宰(委員長)、富沢智、中本道代、藤田晴央、峯澤典子、青木由弥子

■第42回現代詩人賞選考委員
石田瑞穂、岡野絵里子、小林弘明、鈴木東海子、田村雅之(委員長)、廿楽順治、春木節子

■投票管理委員
宮田直哉、福田恒昭

■詩集賞担当理事
渡辺めぐみ

(2024・02・06)

【速報】詩集賞選考委員が決定
 
 11月16日の第4回理事会において、第74回H氏賞と、第42回現代詩人賞の選考委員が決定しました。
 両賞とも、2023年2月3日の第1次選考委員会で候補詩集が推挙され、3月2日の第2次選考委員会で授賞詩集を決定します。

■第74回H氏賞選考委員
 池田順子、上手宰、富沢智、中本道代、
 藤田晴央、峯澤典子、青木由弥子

■第42回現代詩人賞選考委員
 石田瑞穂、岡野絵里子、小林弘明、
 鈴木東海子、田村雅之、廿楽順治、
 春木節子

■投票管理委員

 宮田直哉、福田恒昭

■詩集賞担当理事
 渡辺めぐみ

 対象詩集は2023年1月1日から12月31日までに発行されたことが奥付にあるもの。日本現代詩人会会員全員の投票による各上位8詩集と、選考委員会の推薦による各3冊以内の詩集が候補詩集となります。

 (2023・12・20)

 8月26日の2023年度総会において、新理事(任期2年)が承認され、9月21日の第2回理事会で次のとおり、新役員が決定しました。
《会 長》
 郷原  宏
《理事長》
 塚本 敏雄(名簿・HP委員)
《副理事長》
 杉本真維子(詩祭・国際交流)
《理 事》
 山田 隆昭(総務・慶弔)
 秋 亜綺羅(総務・HP・IT)
 野村喜和夫(総務・国際交流)
 根本 正午(一般会計・HP・IT)
 青木由弥子(年会費)
 松尾真由美(詩祭・冊子)
 中島 悦子(子ども・詩祭・冊子)
 渡辺めぐみ(詩集賞・入会)
 浜田  優(会報・名簿・入会)
 広瀬 大志(入会・ゼミナール)
 春木 節子(ゼミナール・入会)
 沢村 俊輔(名簿・記録・入会)
《監 事》
 宮田 直哉
 鹿又 夏実
《HP運営委員》
 光冨 幾耶
《詩集賞・公益信託代表》
 以倉 紘平

日本の詩祭2024第Ⅰ部 贈呈式・先達詩人の顕彰・詩朗読

「詩投稿 第34期」入選作品紹介Topページに入選作を順次公開します。

むきむきあかちゃん「灰色のトンネル」

母を待っていると 山高帽のおじさんが

ついてきなさい
この世でいちばん素晴らしいものを見せてあげよう

やがてたどり着いた先には
灰色のトンネルがありました
ぼろぼろの汚れた布切れで できたトンネル
かがんでやっと入れる 小さなトンネルです
覗くと ずっと向こうに
小さな光が見えました

私と おじさんは
はうように トンネルを進みました
私は わくわくしていた
素晴らしいものってなんだろう

きらきらの宝石
鮮やかな絵画
たのしい音楽
幸せな詩
遠くに見える光の向こうには
きっとそんなものが

そうして 光を追って進んでいくと
やがて出口は見えました
ああ どんな素敵なものがあるんだろう
私は駆けるようにトンネルを抜けました
そこにあったのは

灰色の屋上
灰色のコンクリート
灰色の空
ただただ灰色に固められた
屋上

これはいったい どういうことですか
私は おじさんの方を振り返りました

そう 何もないこと
何もないことです
何もないのこそがいちばん素晴らしいのです

おじさんは顔一面に笑みを浮かべて言ったのでした

つぎの日 友だちたちと歩いていると
また山高帽のおじさんが

ついてきなさい
この世でいちばん素晴らしいものを見せてあげよう

同じことを言いました

素晴らしいものだって
面白そう
行ってみようよ
友だちたちはみんな喜んで 行くことに決めました
私も 着いていくことにしました

たどり着いたのは やはり
昨日と同じ 灰色のトンネル
友だちたちと はって進みました

どんなものがあるんだろうね
そう声を弾ませる友だちに 私は

でも実はね 何もないんだよ
そう小さな声で 耳打ちしました

やがて出口が見えてきました
ああ きっとみんながっかりするだろう
だって何もないんだから
でも何も知らない友だちたちは
われさきにと 私を置いて出口を抜けて行きました
私は待ちました 彼らから 落胆の声がもれるのを
しかし 出口から聞こえてきたのは 
大きな歓声でした

出口の先にあったのは
前と同じ屋上
ただし
青い空につつまれ 
ちいさなサーカス団が音楽を奏で 歌を歌い
色とりどりの衣装を着た曲芸師が踊りを踊っていました

友だちたちは 目を輝かせて手拍子を打っています
これはいったい どういうことですか
私が おじさんの方を振り返ると
おじさんも なぜか誇らしそうに私を見ていました

 

水町文美「つちとてん」

はなばなの
ピンと伸びたスジが
つちとてんを結んでる
つちはくさった葉が折り重なって
虫が見えかくれしている
茶色
だども
プンとかおる古代の匂いが
上っ面の生きものの歴史を
全部をまぜこぜにして
静かに受け止めている

山に登るんだ
声はつちにいろどられて
あたかも一枚の絵であった
やまやまはつちで
つちはやまやまだ
そんなところだろう

葉はフルフルと頷いて
全ての絵の具を混ぜたら
茶色になったのを思い出した
目指すのは空だろう
だども
どこまで登っても
つちとてんを結んでる

佐藤百々子「Lost Children

明けていく街はいつもやけに白飛びして薄ぼけた色をしている
トーンカーブを急激に引き上げた色調補正レイヤーを重ねたみたい
ゲームアプリより嘘っぽい現実が惚けた顔でまた始まる
暑くなる予感がにおいたって朝っぱらから騒がしい
記憶に降り積もる存在しない夏のレプリカ

人は網膜で得た情報を脳で見ることができない
アプリが修正した顔みたいに
脳で自動補正されて「正しく」認識された世界
を見ている
あと七次元くらい飛び越して
Schemaから眺めたら
脳の外も 夏 なのだろうか

覗き込んで
僕の目が見た
脳が視る前の
世界は
僕の眼球にだけ映っているから
覗き込んで 君が
僕一人では見えない空を

「夏 朝 空 街並み」でイラストを自動で生成 をクリック

人の脳を介さない機械が
人の脳を食べて描いた世界は
神様が見ている世界のそのままに一番、近い
はじめに言(ことば)があって
意思なき恣意の蓄積としての意図なき色の点描画
夏を見てしまうのは僕の脳
意味から逃れられない僕の脳が仮定する心の理論

これほどに人間が歪んで見えているのですか 神様
あるいは
人間の脳には見えないだけで
歪んでいるのでしょうか

神が人を閉じ込めた頭蓋骨の檻の楽園の外では

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